卵黄由来のサプリや化粧品通販を行うのファーマフーズ(2929)は本日3月3日に第2四半期の上方修正が行われました。
今回の上方修正が好感され、本日のPTSでは77円高(+4.69%)となっています。
今回はファーマフーズの決算内容や今後の株価予想などについてみていきましょう。
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ファーマフーズ(2929)の株価予想!大きく下落した株価は上方修正で上昇するか?
【ファーマフーズの概要】
- 時価総額:760億円
- 設立:1997年
- 上場:2006年6月
- 売上高:467.52億円(21.7)/ 606億円(22.7予)
- 営業利益:56.73億円(21.7) / 60億円(22.7予)
ファーマフーズは卵黄由来のサプリや化粧品通販が主力の会社。機能性食品素材ギャバ等は内外の食品メーカーへ販売しており、業績は昨期大幅に伸びており、今期以降も引き続き大幅な増収増益を予定しています。
まずは今回発表された上方修正と前回発表された第1四半期の決算発表についてみていきましょう。
2022年2月10日の第1四半期決算発表の内容
2022 年7月期 第2四半期連結業績予想数値の修正
売上高 | 営業利益 | 税引前利益 | 利益率 | 1株益 | |
21.8-1 今回発表 | 29,821百万円 | 2,032百万円 | 2,105百万円 | 6.8% | 53.86円 |
21.8-1(四季報予想) | 27,800百万円 | 2,500百万円 | 2,510百万円 | 9.0% | 58.6円 |
21.8-1(会社予想) 前回発表 | 27,850百万円 | 1,108百万円 | 1,119百万円 | 4.0% | 18.14円 |
22.7 (四季報予想) | 60,600百万円 | 6,000百万円 | 6,010百万円 | 9.9% | 144.8円 |
第2四半期決算発表が3月7日に控えていますが、今回発表された内容はで売上:7.1%増、営業利益:83.4%増となっています。
利益は当初予想より大幅増ではありますが、四季報予想では2,500百万円となっており、ここを超えていないのは気になるところ。
ただ、ファーマフーズは広告宣伝費や開発費に積極投資しているため、利益は二の次ととらえても良いかもしれません。
【通期業績予想の修正の理由】
当社グループは、「中期経営計画 2026」のテーマ「新価値創造 1Kプロジェクト」を実現するた
め、創薬、新規素材の開発及びそれに伴う研究人員の採用強化による研究開発投資、新商品及び主力商
品への広告投資、M&A推進及びアライアンス構築に注力いたしました。
新商品では、累計出荷 30 万本を超えたまつ毛美容液及びロート製薬株式会社との提携により今期販
売を開始したアイケアサプリメント並びに連結子会社化した明治薬品株式会社が新たに開始した通信販
売事業が売上高の増加に貢献いたしました。
海外販売では、ニューモ育毛剤のECプラットフォーム等での販売が、新規事業として売上高に貢献い
たしました。
さらに、商品ラインナップが増えたことで、より投資効率が良い商品への広告投資を行うことができ、
その結果、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益の増加につながりました。
以上の結果、第2四半期連結累計期間としては過去最高の売上高及び利益を記録し、前回予想と比べ
利益が大幅に増加する見込みです。なお、2022 年7月期通期業績予想につきましては、引続き来期以降
の事業拡大を見据え、第3四半期以降も積極的な投資を継続する計画であり、現時点においては据え置
いております。今後、投資効率を見極めたうえで、修正の必要が生じた場合には、速やかに開示いたし
ます。
また、前回の決算発表などを元に詳細についてみていきましょう。
直近四半期の売上利益
直近の業績の伸びがどうだったのか、直近四半期を元に四半期ごとの業績も見ておきましょう。
ファーマフーズの四半期ごとの売上・利益・利益率の推移は下記の通り。
売上高 | 営業利益 | 利益率 | |
21.8-10(第1四半期) | 12,606百万円(150.3%) | 1,575百万円(黒転) | 12.5% |
21.5-7(前期 第4四半期) | 13,004百万円 | 3,040百万円 | 23.4% |
21.2-4(前期 第3四半期) | 13,355百万円 | 2,714百万円 | 20.3% |
20.11-1(前期 第2四半期) | 12,006百万円 | 1,347百万円 | 11.2% |
20.8-10(前期 第1四半期) | 8,387百万円 | -1,428百万円 | -17.0% |
20.5-7(前々期 第4四半期) | 4,241百万円 | 997百万円 | 23.5% |
20.2-4(前々期 第3四半期) | 4,660百万円 | 1,328百万円 | 28.5% |
19.11-1(前々期 第2四半期) | 3,362百万円 | -801百万円 | -23.8% |
四半期ごとの数字を見ると、前期の第2四半期あたりから大幅に売上を伸ばしていることがわかります。
また、今回の上方修正の数字を元に今四半期を当てはめると、
- 売上高:17,215百万円 営業利益:457百万円 利益率:2.65%
となっています。
売上は他の四半期と比べても大幅に伸びていることがわかります。利益は明らかに減少していますが、下記にある通り今四半期も研究開発や採用強化、宣伝広告費などへ積極投資している可能性が高いのではないかと思いますが、この辺りは3月7日に発表される決算短信で確認したいと思います。
【第1四半期時のコメント】
中期経営計画のテーマ「新価値創造」を実現するため、当社グループは、機能
性素材及びバイオメディカル事業の研究開発に積極投資し、特に研究開発人員の採用強化をいたしました。ま
た、通信販売事業においては、既存商品に対しては、効率を遵守しながら高水準の投資を継続し、新商品に対し
ては販売拡充に向け積極投資を実行いたしました。
これらの投資の結果、研究開発費は145百万円(前年同期比48.5%増)、広告宣伝費は四半期として過去最高
の6,730百万円(前年同期比1.7%増)となりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は、12,606百万円(前年同期8,387百万円、前年同期比
50.3%増)となりました。損益面では、営業利益は1,575百万円(前年同期は1,428百万円の損失)、経常利益は
1,617百万円(前年同期は1,405百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、1,231百万円(前年同
期は1,427百万円の損失)となりました。顧客ニーズに応えた結果、定期顧客件数が増加し、リピート購入によ
る収益が積み上がった結果、第1四半期連結会計期間より大幅な黒字となりました。
ファーマフーズのセグメント別の売上利益
ファーマフーズのセグメントごとの売上利益も見てみましょう。
セグメント | 売上高 | 営業利益 | 利益率 |
バイオメディカル事業 | 9百万円(129.9%増) | -66百万円(前年同期-44百万円) | ー |
機能性素材事業 | 504百万円(9.6%増) | 3百万円(96.6%減) | 0.6% |
通信販売事業 | 12,091百万円(52.6%増) | 1,818百万円(前年同期-1,339百万円) | 15.0% |
業績の大半を占めている通信販売事業が特に大きく伸びています。
【第1四半期時のセグメント別経営成績】
<バイオメディカル事業>
バイオメディカル事業では、当社独自のニワトリ由来抗体作製技術「ALAgeneⓇ
technology(アラジンテクノ
ロジー)」及び卵黄由来の生理活性ペプチド開発技術を用いた創薬事業を行っております。
「ALAgeneⓇ
technology」は、抗体医薬開発の当社基盤技術であります。本技術により、従来技術では抗体作
製困難な創薬ターゲット分子に対する抗体医薬開発が可能です。
当第1四半期連結累計期間において、「ALAgeneⓇ
technology」を活用・高度化し、あらゆる疾患を標的とし
た次世代抗体医薬品の製造技術開発を開始いたしました。本研究開発は、国立研究開発法人日本医療研究開発機
構(AMED)の令和3年度「次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業(国際競争力のある次世代
抗体医薬品製造技術開発)」として5年間の選定を受けております。本事業年度おいて、次世代抗体医薬品候補
となり得るリード抗体の作製を開始しております。
抗体創薬プロジェクトとして、「自己免疫疾患」「悪性腫瘍」等の難治性疾患を対象とした研究開発を行って
おります。「自己免疫疾患」においては、当社内の「国際PAD※1研究センター」において、一連のPAD関連
ターゲットに対する創薬研究を推進し、パイプライン拡充が順調に進捗いたしました。特に抗PAD2抗体につ
いては、各種薬効薬理試験を推進し、国内外の大手製薬企業との提携交渉を進めております。「悪性腫瘍」等の
各種難治性疾患においては、抗FSTL1抗体等を用いた薬効薬理試験を行うことで大手製薬企業との提携交渉
を進めております。
「ペプチド創薬プロジェクト」では、引続き骨形成不全症の治療薬の候補として、「リプロタイトⓇ
」の作用
機序の解明と、動物モデルでの薬効評価、薬物動態評価を行うことで、製薬企業との提携交渉を継続してまいり
ます。
また、バイオメディカル事業では、新たな創薬ターゲットに対する抗体作製に加え、外部企業からの分析・効
能評価試験等を受託するLSI(Life Science Information)事業を行っております。
以上の結果、バイオメディカル事業の当第1四半期連結累計期間の売上高は9百万円(前年同期4百万円、前
年同期比129.9%増)、セグメント損失は66百万円(前年同期44百万円のセグメント損失)となりました。<機能性素材事業>
機能性素材事業では、独自の機能性食品素材を研究、開発し、食品メーカー等に販売しております。
当事業が属する機能性表示食品及び健康食品市場は、健康維持、増進への高い意識を背景に、市場規模が拡大
しております。
当社の主力商品である「ファーマギャバⓇ
」の売上高は、前第4四半期に海外向け出荷が増大したことによる
反動減の影響により、152百万円(前年同期比27.1%減)となりました。国内市場では、機能性表示食品制度に
おける「GABA(ギャバ)」の届出件数は568件(2021年10月末時点)で、引続き第1位の採用実績を維持し
ております。食品メーカーによるGABAの採用拡大が引続き継続しております。海外市場においては、睡眠、
筋肉合成促進の公開を訴求した新製品の上市が予定されております。
骨形成成分である「ボーンペップⓇ
」の売上高は、47百万円(前期比28.4%増)となりました。特に海外の乳
業メーカーでの採用が進み、現在20社以上で採用されております。
OEM事業の売上高は、228百万円(前期比80.9%増)となりました。国内を中心にヘルスケア企業向けダイ
エット食品、健康飲料及びコンビニ向けパウチゼリー等が増加いたしました。当社のOEM事業は、独自の素材
を中心にエビデンスのある原料を組み合わせて提案しており、国内外の多くのプロジェクトが進んでおります。
研究開発においては、2021年9月、三洋化成工業株式会社と「アグリ・ニュートリション基本計画」を策定い
たしました。2022年の実証実験開始に向け、当第1四半期連結累計期間では、両社でペプチド農業に関する研究
計画を協議いたしました。また、化成品関連の事業化に向け、鶏卵の卵殻及び卵殻膜など未利用資源を活用した
試作品の作製を行いました。未利用資源の活用としてはさらに、ゴマの総合利用のよる環境負荷の低い機能性素
材「リピスマートⓇ
」の中性脂肪吸収抑制効果のヒト試験を行いました。
脳機能に関する研究では、当社内の「国際GABA研究センター」において、デバイスによる認知機能の測定
及び測定結果に基づく認知機能の改善について研究を強化いたしました。
中期的な重点分野である当社最終商品の販売においては、中国及びベトナムにおける越境ECの売上高が、23
百万円となりました。越境ECでの販売体制を構築中でありますが、Tモール内広告及びインフルエンサー広告
など新たな取り組みへの出稿を順次拡大しており、その広告宣伝費及び販売促進費は41百万円となりました。
以上の結果、機能性素材事業の当第1四半期連結累計期間の売上高は504百万円(前年同期460百万円、前年同
期比9.6%増)、セグメント利益は3百万円(前年同期106百万円、前年同期比96.6%減)となりました。<通信販売事業>
通信販売事業では、「発明企業の通販事業」として当社独自の機能性素材を配合したサプリメント及び医薬部
外品(「タマゴ基地Ⓡ
」ブランド)並びに化粧品(「SOGNANDO(ソニャンドⓇ
)」ブランド等)の商品
を、通信販売の方式で消費者に直接販売又はショッピング専門チャンネルへの卸売販売を行っております。
当第1四半期連結累計期間においては、顧客獲得効率指標のCPO※2及び収益性指標のLTV※3を重視しなが
らも、新商品へ積極的に広告宣伝投資を行い、2021年10月末時点の当社全体の定期顧客件数は、802,021件とな
りました。
「ニューモⓇ
育毛剤」の当第1四半期連結累計期間の売上高は、7,431百万円となりました。定期顧客件数は
543,602件と高水準を維持し、リピート購入の進展により、当社全体の売上及び利益の押し上げに寄与しまし
た。「ニューモⓇ
育毛剤」顧客へのクロスセルを引続き注力しており、サプリメントの売上高は806百万円、シャ
ンプーの売上高は211百万円となりました。なお、「ニューモⓇ
育毛剤」の累計出荷件数は、2021年11月15日時点
で1,000万本を突破いたしました。今期、30,000百万円の売上高を目指しております。
「ニューモⓇ
」ブランドの水平展開の取組みとして、まつ毛美容液「まつ毛デラックス WMOA」の広告宣伝
に注力いたしました。受注好調により初回生産分は完売となり、当第1四半期連結累計期間の売上高は、74百万
円となりました。急遽増産体制を構築しており、2021年12月下旬より出荷が再開される予定となっております。
予約待ちを含めた2021年10月末時点の定期顧客件数は、30,649件となりました。
また、メガネ型拡大鏡「PFI博士ルーペⓇ
」購入顧客に対し、ロート製薬株式会社のアイケア用サプリメン
ト「ロートⅤ5粒アクトビジョン」のクロスセルを実施いたしました。両社の強みを組み合わせた販売により、
売上高は194百万円となりました。
既存商品では、膝関節サプリメント「タマゴサミンⓇ
」の売上高は、720百万円となり、利益に寄与しておりま
す。
化粧品の販売では、「ヘアボーテⓇ
エクラ ボタニカルエアカラーフォーム」の販売に注力いたしました。C
POを重視した新規顧客獲得を行い、2021年10月末時点の定期顧客件数は、77,820件、当第1四半期連結累計期
間の売上高は、893百万円となりました。
このような受注増加、定期顧客件数の増加に対し、前期から積極的に体制整備を行ってきたコールセンター強
化が奏功しており、過去最高水準の受注につながりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の通信販売事業の売上高は、12,091百万円(前年同期7,922百万円、
前年同期比52.6%増)と大幅な増収となりました。既存商品に対して効率を遵守しながら高水準の投資を維持
し、新商品への積極投資を実行した結果、広告宣伝費は6,710百万円(前年同期は6,618百万円、前年同期比
1.4%増)を計上しました。積極投資を行う一方で、リピート購入による収益が積み上がった結果、第1四半期
連結会計期間より黒字を達成し、セグメント利益は1,818百万円(前年同期は1,339百万円の損失)となりまし
た。
まつげ美容液やアイケア用サプリメントのコメントがありましたが、今回の上方修正でも業績予想修正の理由に挙げられており、順調に伸びていることがうかがえます。
続いて、現在のファーマフーズの株価についても見ていきましょう。
ファーマフーズの株価推移・今後の株価予想
ファーマフーズ(2929)の2022年3月3日時点でのチャートは以下の通り。
【日足チャート】
【週足チャート】
ファーマフーズは21年・22年と大幅に業績を伸ばしているものの、株価は2021年4月あたりからは下降トレンドに入っています。
好業績を発表してもなかなか株価が伸びないことが多く、これは機関投資家の空売りが多く入っていることも要因の一つではないかと思います。
【3月3日時点の指標】
- PER:11.35
- PSR:1.01
- PEGレシオ:0.05(PER 11.35 ÷利益成長率229)
- 理論株価:4,436円
※PSR(株価売上高倍率) ※PEGレシオ(PERを、一株当たりの利益成長率で割った指標)
PER・PSRは、この業績の伸びを考えるとかなりの割安水準。
PEGレシオは驚異的な割安の数字となっており、数値だけを見るとまだまだ伸びる余地はあるのではないでしょうか。
また、このところ信用買い残は減少してきており、信用倍率が1倍を下回っている状態です。
理論株価が現在の株価の2.7倍程度となっており、2021年に付けていた4,000円弱あたりまで上昇する可能性も充分にあると思います。
ただ気になるのは機関投資家の空売りです。
このところ空売りはかなり減っては来ているものの、まだ複数社からの空売りがあります。このあたりの機関投資家の動き次第で株価は今後も大きく振らされると思いますので、投資する際は機関投資家の動きも見ながら投資したほうが良いかもしれません。
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