農薬専業のクミアイ化学工業(4996)は3月11日に第1四半期の決算発表が行われました。
1Q決算は好決算で通期進捗率は非常に高いものでした。
今回はクミアイ化学工業の決算内容や今後の株価予想などについてみていきましょう。
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クミアイ化学工業(4996)の株価予想!農業関連事業など好調で1Qから高進捗【3/11好決算銘柄】
【クミアイ化学工業の概要】
- 時価総額:1,121億円
- 設立:1949年
- 上場:1962年11月
- 売上高:1181.76億円(21.10)/ 1239億円(22.10予)
- 営業利益:84.56億円(21.10) / 90億円(22.10予)
クミアイ化学工業は全農系で農薬専業首位級の企業。ドローン散布や生物農薬など事業革新に意欲的で、業績もこのところ右肩上がりで推移しています。
まずは今回発表された決算発表の内容を見てみましょう。
2022年3月11日の第1四半期決算発表の内容
2022年10月期第1四半期の連結業績(2021年11月1日~2022年1月31日)
売上高 | 営業利益 | 税引前利益 | 利益率 | 1株益 | |
21.11-1(実績) 今回発表 | 32,787百万円 | 3,430百万円 | 3,954百万円 | 10.5% | 21.65円 |
21.11-4(四季報予想) | 62,000百万円 | 4,600百万円 | 5,500百万円 | 7.4% | 30.4円 |
22.10 (四季報予想) | 123,900百万円 | 9,000百万円 | 11,200百万円 | 7.3% | 62.35円 |
第1四半期の決算発表で対第2四半期の進捗率は、売上高:52.9%、営業利益:74.6%となっており良い決算だと言えるでしょう。
詳細についてみていきましょう。
直近四半期の売上利益
直近の業績の伸びがどうだったのか、直近四半期を元に四半期ごとの業績も見ておきましょう。
クミアイ化学工業の四半期ごとの売上・利益・利益率の推移は下記の通り。
売上高 | 営業利益 | 利益率 | |
21.11-1(第3四半期) | 32,787百万円(143.0%) | 3,430百万円(210.4%) | 10.5% |
21.8-10(第2四半期) | 29,673百万円 | 1,573百万円 | 5.3% |
21.5-7(第1四半期) | 29,738百万円 | 2,087百万円 | 7.0% |
21.2-4(前期 第4四半期) | 35,840百万円 | 3,166百万円 | 8.8% |
20.11-1(前期 第3四半期) | 22,925百万円 | 1,630百万円 | 7.1% |
20.8-10(前期 第2四半期) | 27,726百万円 | 2,468百万円 | 8.9% |
20.5-7(前期 第1四半期) | 21,171百万円 | 844百万円 | 4.0% |
20.2-4(前々期 第4四半期) | 34,581百万円 | 3,359百万円 | 9.7% |
四半期ごとの数字を見ると、バラツキはあるものの直近は好業績となっています。
当社グループにおきましては、前期を初年度とする中期経営計画「Create
the Future ~新たな可能性へのチャレンジ~」を推進し、企業価値の向上に向けた重点施策の遂
行に全力で取り組んでおります。
当第1四半期連結累計期間の売上高は、農薬及び農業関連事業の国内外向けの販売及び化成品の
販売が好調に推移した結果、32,787百万円、前年同期比9,862百万円(43.0%)の増加となりまし
た。営業利益は、3,430百万円、前年同期比1,800百万円(110.4%)の増加となりました。経常利益
は、3,954百万円、前年同期比1,975百万円(99.9%)の増加となりました。親会社株主に帰属する四
半期純利益は、2,637百万円、前年同期比1,396百万円(112.5%)の増加となりました。また、海外
向け売上高の割合は54.6%となりました。
クミアイ化学工業のセグメント別の業績
クミアイ化学工業のセグメントごとの売上利益も見てみましょう。
セグメント | 売上高 | 営業利益 | 利益率 |
農薬及び農業関連事業 | 25,063百万円(53.0%増) | 3,196百万円(116.9%増) | 12.8% |
化成品事業 | 5,876百万円(35.7%増) | 411百万円(46.0%増) | 7.0% |
その他 | 1,849百万円(16.5%減) | 193百万円(19.0%減) | 10.4% |
農薬及び農業関連事業・化成品事業ともに大幅な増収増益となっています。
① 農薬及び農業関連事業
国内向けは、水稲用殺菌剤「ディザルタ剤」を含む箱処理剤、水稲用除草剤「エフィーダ剤」
の販売が好調に推移しました。海外向けは、畑作用除草剤「アクシーブ剤」がアルゼンチンで前傾
出荷されたことと、北米の良好な市場環境による需要の増加から出荷が大幅に伸張しました。ま
た、欧州向けの園芸用殺菌剤「ベンチアバリカルブイソプロピル剤」の出荷も好調に推移したこと
で、前年同期を大幅に上回りました。
以上の結果、農薬及び農業関連事業の売上高は25,063百万円、前年同期比8,680百万円(53.0%)
の増加となりました。営業利益は3,196百万円、前年同期比1,722百万円(116.9%)の増加となりま
した。② 化成品事業
クロロキシレン系化学品やビスマレイミド類が好調に推移し、産業用薬品や発泡スチロールの
販売は、前年同期並みに推移しました。
以上の結果、化成品事業の売上高は5,876百万円、前年同期比1,547百万円(35.7%)の増加とな
りました。営業利益は411百万円、前年同期比129百万円(46.0%)の増加となりました。③ その他
印刷事業や物流事業は前年並みに推移したものの、建設業が前年同期を下回った結果、その他
全体の売上高は1,849百万円、前年同期比365百万円(16.5%)の減少となりました。営業利益は193
百万円、前年同期比45百万円(19.0%)の減少となりました。
続いて、現在のクミアイ化学工業の株価推移や今後の株価予想についても見ていきましょう。
クミアイ化学工業の株価推移・今後の株価予想
クミアイ化学工業(4996)の2022年3月11日時点でのチャートは以下の通り。
【日足チャート】
【週足チャート】
クミアイ化学工業のチャートを見ると長らくBOX圏で推移しています。
今回の決算を受けて株価はどのような推移を見せるでしょうか。
【3月11日時点の指標】
- PER:12.72
- PSR:0.87
- PEGレシオ:2.99(PER 12.72 ÷利益成長率4.25)
- 理論株価:1,085円
※PSR(株価売上高倍率) ※PEGレシオ(PERを、一株当たりの利益成長率で割った指標)
PER・PSRともに割安水準にあるのではないでしょうか。
ただ利益成長率が低いため、現状はPEGレシオは割高水準となるかもしれません。
今回の1Q決算で上方修正はありませんが、今後上方修正があればこのあたりも問題なくなってくるかもしれません。
信用買い残も多くなく、機関投資家による空売りなども見られません。
現状チャートの形はよくありませんが、今回の決算を受けて案外あっさり上昇し、1,100円を超えることも充分にあるのではないでしょうか。
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