富裕層向けにオフィスやマンションなどの収益不動産を組成・販売するレーサム(8890)は昨日3月9日に業績の上方修正を行いました。
上方修正が好感され、本日は上昇しています。
ここから株価がどれくらいの株価を付けていくのか、また地合いとともに下落してしまうのかは気になるところ。
前回の第3四半期時もブログに記載させていただきましたが、今回はレーサムの決算発表の内容や株価予想についてみていきましょう。
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レーサム(8890)の株価予想!大型物件売却で30%上方修正【好決算の注目銘柄(3/9)】
【レーサムの概要】
- 時価総額:301億円
- 設立:1992年
- 上場:2001年4月
- 売上高:322.19億円(21.3)/ 620億円(22.3予)
- 営業利益:16.43億円(21.3) / 80億円(22.3予)
レーサムはオフィスやマンションなどの収益不動産を富裕層向けに組成・販売する会社。業績は20年3月期までは順調に伸びていたものの21年に急失速。大きく業績を落としましたが、今期は21年に比べて大きく業績を伸ばす予定です。
まずは今回発表された決算発表の内容を見てみましょう。
2022年3月9日の上方修正の内容
2022 年 3 月期 通期連結業績予想数値の修正(2021 年 4 月 1 日~2022 年 3 月 31 日)
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 利益率 | 1株益 | |
22.3(実績) 今回発表 | 66,000百万円 | 10,400百万円 | 9,800百万円 | 15.8% | 171.95円 |
22.3 (四季報予想) | 62,000百万円 | 8,000百万円 | 7,400百万円 | 12.9% | 131.0円 |
今回の上方修正で売上高が6.5%増、営業利益が30%増となっています。
主力の資産価値創造事業において、大型物件の売却が実現したこと、並びに当初想定よりも高い利益率での
物件売却が実現したことにより、連結売上高並びに連結営業利益が前回予想値を上回る見込みとなりました。
これに伴い、連結経常利益、連結当期純利益についても前回予想値に対してそれぞれ増額修正となります。
年間配当予想につきましては、通期連結業績予想の修正により、配当原資となる当期純利益が 6,300 百万円
に増加する見込みとなったことから、当社の利益配分の基本方針である連結配当性向 20%以上に則り、1 株当
たり 35 円に修正いたしました。
高い利益率で売却したことで大きな利益の増加となっています。
前回発表された第3四半期の決算内容についても見ておきましょう。
前回(2月10日)の第3四半期決算発表の内容
2022年3月期第3四半期の連結業績(2021年4月1日~2021年12月31日)
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 利益率 | 1株益 | |
21.4-12(実績) 2.10発表 | 45,811百万円 | 8,231百万円 | 7,888百万円 | 18.0% | 137.33円 |
22.3 (四季報予想) | 62,000百万円 | 8,000百万円 | 7,400百万円 | 12.9% | 131.0円 |
第3四半期の決算発表では通期の進捗率が、売上高:73.9%、営業利益:102.9%となっており、すでに通期予想を上回っていました。
上方修正は予定通りといったところでしょうか。
ここからは第3四半期決算発表時の内容を元に四半期ごとの売上やセグメント別の詳細についてみていきましょう。
直近四半期の売上利益
直近の業績の伸びがどうだったのか、直近四半期を元に四半期ごとの業績も見ておきましょう。
レーサムの四半期ごとの売上・利益・利益率の推移は下記の通り。
売上高 | 営業利益 | 利益率 | |
21.10-12(第3四半期) | 25,874百万円(248.9%) | 5,462百万円(350.1%) | 21.1% |
21.7-9(第2四半期) | 15,740百万円 | 2,836百万円 | 18.0% |
21.4-6(第1四半期) | 4,197百万円 | -67百万円 | -1.6% |
21.1-3(前期 第4四半期) | 14,942百万円 | 557百万円 | 3.7% |
20.10-12(前期 第3四半期) | 10,395百万円 | 1,560百万円 | 15.0% |
20.7-9(前期 第2四半期) | 3,640百万円 | -83百万円 | -2.3% |
20.4-6(前期 第1四半期) | 3,242百万円 | -301百万円 | -12.1% |
20.1-3(前々期 第4四半期) | 34,838百万円 | 10,096百万円 | 29.0% |
四半期ごとの数字を見ると、大きく業績を伸ばしていることがわかります。
ただ、安定した伸びとは言えず、今回は大型物件の売却があったことでの増加もあり、今後も案件次第で増減しそうな気もします。
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高45,811百万円(前年同四半期比165.2%増)、営業利益8,231百万円
(同657.9%増)、経常利益7,888百万円(同880.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益5,033百万円(同
784.6%増)となりました。
レーサムのセグメント別の売上利益
レーサムのセグメントごとの売上利益も見てみましょう。
セグメント | 売上高 | 営業利益 | 利益率 |
資産価値創造事業 | 40,946百万円(214.2%増) | 9,313百万円(381.7%増) | 22.7% |
資産価値向上事業 | 3,696百万円(10.3%増) | 948百万円(20.7%増) | 25.6% |
未来価値創造事業 | 1,169百万円(30.8%増) | -1,561百万円(前年同四半期-1,210百万円) | ー |
資産価値創造事業で大きく増収増益となっています。
中身については下記となります。
(資産価値創造事業)
当事業では、未来の社会を構想し、そこに必要とされる不動産を生み出すという視点で、潜在力のある不動産
を自ら買い取り、用途変更や大規模改修、新たなテナント誘致等を行います。物件を取り巻く地域社会の特徴、
文化・教育活動、環境保全などを考慮し、お客様にとって意味のある不動産資産を創出し提供します。
当第3四半期連結累計期間の当事業の売上高は40,946百万円(前年同四半期比214.2%増)、セグメント利益
は9,313百万円(同381.7%増)となりました。
新型コロナウイルス感染症拡大によって様々な事業活動の制約を受ける事業環境ではありましたが、当社の資
産価値向上の実行力への認知と信頼が深まってきております。
その結果、第3四半期連結累計期間中に、販売価格20億円以上の大型物件として、銀座の大型商業ビル、白金
長者丸レジデンス、池尻大橋オフィスビル、目黒駅近隣のmedock総合健診クリニックビルを販売すること
ができました。加えて、特徴ある地方案件として、京都三条の複合ビル、神戸の築110年の歴史建築案件など、
合計19件を販売し、年度末までの大型案件の販売活動の進捗状況を踏まえると当事業の計画は順調に推移してい
るとの認識です。
また、当社が資産価値向上を進める大型案件を複数組み合わせた不動産商品群に1~2億円単位から投資でき
る新たな不動産投資商品を組成し、2021年末より販売を開始し、お客様からも強い手応えを得ております。当社
としては、この商品を原動力に、今後さらに顧客層の裾野拡大を加速させてまいります。(資産価値向上事業)
当事業では、お客様にご提供した不動産について、その価値を維持向上させるための、賃貸管理、建物管理業
務等を行います。テナント入れ替わり等を機会に、将来に向けた物件価値の向上策をご提案する等、お客様のご
希望を細かくお伺いし、長期的な資産価値向上を目指します。
当第3四半期連結累計期間の当事業の売上高は3,696百万円(前年同四半期比10.3%増)、セグメント利益は
948百万円(同20.7%増)となりました。(未来価値創造事業)
当事業では主に、コミュニティホステル、超高齢化社会に必須の高度医療専門施設、多発する自然災害に備え
る非常用電源開発など、将来の社会課題に対応した事業を、自社事業として行っております。これらの事業運営
を通して獲得した経験や知見は、将来の資産価値創造事業、資産価値向上事業における構想と提案に活かされま
す。
高度専門医療の支援事業の一環として「medock総合健診クリニック」を目黒に開設、既に多くの受診者
にご利用いただき、各方面の事業会社との連携が始まっております。加えて、新型コロナ対応ワクチンの職域接
種にも取り組み3万人以上の接種を行いました。
一方、㈱アセット・ホールディングス、㈱WeBaseにおいては、再度の緊急事態宣言やまん延防止措置による外
出自粛、移動制限等の影響を引き続き強く受けた期間となりました。それでも感染拡大の防止策を講じつつ、事
業活動を無事故で継続し続けることは、お客様や社会とのつながりを強める機会と位置づけ、設備の抜本的な改
修などを進めながら業績の改善に全力で取り組んでおります。
当第3四半期連結累計期間の当事業の売上高は、1,169百万円(前年同四半期比30.8%増)となり、セグメン
ト損失は、新たな宿泊施設「江田島荘」を立ち上げたことによる初期投資もあり、1,561百万円(前年同四半期
は1,210百万円のセグメント損失)となりました。
セグメント別の業績を見ると、資産価値創造事業で大型物件の販売などがあり、大きな売り上げにつながっていることがわかります。
また、資産価値創造事業では新たな不動産投資商品も強い手ごたえを得ているということで、今後の業績の伸びにも期待できるかもしれません。
続いて、現在のレーサムの株価についても見ていきましょう。
レーサムの株価推移・今後の株価予想
レーサム(8890)の2022年3月10日11時時点でのチャートは以下の通り。
【日足チャート】
【週足チャート】
レーサムの株価は2月10日の決算発表以降上昇していましたが、昨日の上方修正を受けてその高値も超えてきました。
ただ、朝一ギャップアップした後は下落してきており直近高値付近となっています。
ここからもう一度盛り返して高値を抜けていくのか、このまま下落となってしまうのでしょうか。
【3月10日時点の指標】
- PER:4.63
- PSR:0.90
- PEGレシオ:ー(PER 4.63 ÷利益成長率ー)
- 理論株価:2,202円
※PSR(株価売上高倍率) ※PEGレシオ(PERを、一株当たりの利益成長率で割った指標)
レーサムはPERが5倍以下でかなり割安な水準。
昨年大きく業績を落としたため、利益成長率は計れませんが、昨年に比べると大きな伸びとなっています。
理論株価は現在株価(783円)の2.8倍の2,202円。
今後の株価予想も2,200円というところではありますが、日々の出来高が数万株程度で、割安ではありますがもっと注目されないと大きな上昇は見込めないかもしれません。
また、前回も記載した通り信用買い残が多い状態となっています。今日は出来高が増加していますが、普段はあまり出来高が多くありませんので、出来高が伴ってこないと大きな上昇は難しいかもしれません。
レーサムの業績自体はかなり良いものではありますが、今後も順調に物件の販売ができるかも今後の株価の大きな要素となると思いますので、投資の際はそのあたりを意識したほうが良いかもしれません。
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