本日(9月7日)、ファーマフーズ(2929)の通期決算発表が行われました。
今回はファーマフーズの決算発表についてまとめましたので是非ご覧ください。
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好決算銘柄:ファーマフーズ(2929) 9月7日通期決算発表
【ファーマフーズの概要】
- 時価総額:301億円
- 設立:1997年
- 上場:2006年6月
- 売上高:105.32憶円(19・7)/ 145億円(20・7予)
- 営業利益:5.76憶円(19・7) / 6.9憶円(20・7予)
【特色】卵黄由来のサプリや化粧品通販が主力。機能性食品素材ギャバ等は内外の食品メーカーへ販売
【連結事業】機能性素材17(40)、通信販売81(3)、バイオメディカル2(9)【海外】6 <19・7>
【安定拡大】ストレス緩和素材ギャバや骨形成成分ボーンペップは内外で伸長。通販のひざ関節用サプリや育毛剤も増販。田辺三菱との共同研究契約金続く。上期集中の広告費こなし営業益安定増。21年7月期は通販、機能性素材中心に新顧客の開拓進む。
2020年9月7日の通期決算発表
今回発表された通期の決算発表は上記の通り。
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 利益率 | 1株益 | |
20.7(今回発表) | 15,353百万円 | 740百万円 | 788百万円 | 4.8% | 23.79円 |
20.7(四季報予想) | 14,500百万円 | 690百万円 | 750百万円 | 4.8% | 17.9円 |
21.7(今回発表) | 23,357百万円 | 1,166百万円 | 1,219百万円 | 5.0% | 28.08円 |
21.7(四季報予想) | 18,000百万円 | 850百万円 | 910百万円 | 4.7% | 20円 |
20年7月期の数字自体は8月26日の上方修正時の数字と同じなのですが、今回発表された21年7月期の数字はかなり良いものだと言えるでしょう。
四季報予想を大きく上回るもので、四季報予想よりも売上高が29.8%増、営業利益が37.2%増となっています。
ちなみに前回発表された上方修正の内容は下記となります。
2020年8月26日の通期決算内容
今回発表された上方修正の内容は上記の通り。
当初の発表を上回る数字となっており、四季報予想も上回っているので好感を得られる内容だと言えるでしょう。
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 利益率 | 1株益 | |
20.7(上方修正) | 15,353百万円 | 740百万円 | 788百万円 | 4.8% | 23.79円 |
20.7(四季報予想) | 14,500百万円 | 690百万円 | 750百万円 | 4.8% | 17.9円 |
21.7(四季報予想) | 18,000百万円 | 850百万円 | 910百万円 | 4.7% | 20円 |
【修正の理由】
当期、通信販売事業では、「発明企業の通信販売」という理念の下、新製品の販売に注力し、販売
においては、年間の広告宣伝計画の大半を上期に集中投資し、下期で利益回収する「通期黒字化モデ
ル」を継続してまいりました。このモデルを維持しつつ、当第4四半期では、「ニューモⓇ育毛剤」の
テレビ広告がCPO※低減を実現したため、広告宣伝費を増額し、新規顧客の効率的な獲得に成功い
たしました。あわせて、当第4四半期での利益回収も想定以上に進んだことから、売上及び利益を押
し上げることとなりました。
機能性素材事業では、「ファーマギャバⓇ」及び「ボーンペップⓇ」等の主力製品がアメリカ、中国
市場における新規採用により、好調に販売拡大され、特に第 4 四半期では中国市場向け美白素材「セ
レプロン」、国内健康食品向け血流改善素材「ランペップⓇ」の出荷増が、利益に貢献いたしました。
上記の要因のほか、研究開発、雇用創出及び固定資産への積極投資による税額控除が適用されるこ
ととなり、親会社株主に帰属する当期純利益が増加する見込みとなりました。
直近四半期の売上利益
直近四半期の伸び率は今後の業績が伸びていくかを見るうえで重要な指標です。
今回の情報趨勢の数字をもとにファーマフーズの四半期ごとの売上・利益・利益率の推移は下記の通り。
売上高 | 営業利益 | 利益率 | |
20.5~7(第4四半期) | 4,241百万円(159.2%) | 997百万円(143.2%) | 23.5%(90%) |
20.2~4(第3四半期) | 4,660百万円 | 1,328百万円 | 28.5% |
19.11~1(第2四半期) | 3,362百万円 | -801百万円 | ー |
19.8~10(第1四半期) | 3,090百万円 | -784百万円 | ー |
19.5~7(前期 第4四半期) | 2,664百万円 | 696百万円 | 26.1% |
先ほどの修正の理由にも記載されていましたが、会社の方針として上期は広告宣伝費などにより赤字となっていましたが、下期でしっかりと利益を回収していることがわかります。
また、3Q・4Qと売り上げが大きく伸びていることがわかります。
今第4四半期は売上が59%増となっており、大幅な伸びとなています。
ファーマフーズのセグメントごとの売上利益
ファーマフーズの事業セグメントごとの売上利益を見てみましょう。
セグメント | 売上高 | 営業利益 | 利益率 |
バイオメディカル事業 | 186百万円(19.4%減) | -45百万円(前期は21百万円の利益) | ー |
機能性素材事業 | 2,575百万円(44.9%増) | 799百万円(12.1%増) | 31.0% |
通信販売事業 | 12,591百万円(47.7%増) | 573百万円(98.7%増) | 4.6% |
当第1四半期連結累計期間におけるセグメント別の経営成績は、バイオメディカル事業が減収減益となるものの、大きな売り上げを占めている通信販売事業と機能性素材事業にて大幅な増収増益となっています。
(バイオメディカル事業)
バイオメディカル事業では、当社独自のニワトリ由来抗体作製技術「ALAgeneⓇ technology(アラジンテクノ
ロジー) 」及び卵黄由来の生理活性ペプチド開発技術を用いた創薬事業を行っております。
「ALAgeneⓇ technology」は、従来技術では作製困難な創薬ターゲット分子に対する抗体作製を可能とする、
当社の基盤技術です。本技術を用いて「自己免疫疾患」「悪性腫瘍」を対象疾患とした抗体医薬の研究開発を行
っており、「自己免疫疾患プロジェクト」においては、2018年10月、田辺三菱製薬株式会社と抗体医薬に関する
共同研究契約を締結しております。
本共同研究では、当社が所有する自己免疫疾患の創薬ターゲット分子に対するヒト化抗体を改良し、田辺三菱
製薬株式会社が自己免疫疾患モデル動物を用いた評価を行いました。その結果、当社の抗体は優れた評価を受け
たため、同社との独占的ライセンス契約へ向け着実に進捗いたしました。契約が締結された場合、当社は契約一
時金及び開発段階ごとのマイルストン収入並びに医薬品販売額に応じたロイヤリティーを得ることで、当社の収
益構造が大きく変わることが期待されます。
自己免疫疾患に関しては、関節リウマチ等の新たな創薬ターゲット分子に対する抗体作製と特許出願を行って
おり、創薬のパイプライン拡充が順調に進みました。
「悪性腫瘍プロジェクト(標的分子:FSTL1)」においては、2016年に出願した抗FSTL1抗体に関す
る特許「FSTL1を利用した抗がん剤・転移抑制剤およびその併用剤」が、日本、米国において成立し、抗F
STL1抗体を用いた各種悪性腫瘍細胞に対する抗腫瘍試験を行うことで、製薬企業との提携交渉を継続してま
いります。
「骨形成プロジェクト」では、卵黄由来の骨形成ペプチド「リプロタイトⓇ」が、国立研究開発法人日本医療
研究開発機構(AMED)「平成30年度難治性疾患実用化研究事業」に、東京大学との共同研究事業として3年
目の選定を受けました。骨形成不全症の治療薬の候補として、「リプロタイトⓇ」の作用機序の解明と、動物モ
デルでの薬効評価、薬物動態評価を行うことで、製薬企業との提携交渉を継続してまいります。
また、バイオメディカル事業では、新たな創薬ターゲットに対する抗体作製に加え、外部企業からの分析・効
能評価試験等を受託するLSI(Life Science Information)事業を行っております。これらの結果、バイオメディカル事業の当連結会計年度の売上高は、受託試験の受注減により186百万円(前
期比19.4%減)、創薬研究所の稼働に伴い減価償却費は56百万円(前期は8百万円)、セグメント損失は45百万
円(前期は21百万円の利益)となりました。
(機能性素材事業)
機能性素材事業では、独自の機能性食品素材を研究、開発し、食品メーカー等に販売しております。
当事業が属する機能性表示食品及び健康食品市場は、健康維持、増進への高い意識を背景に、市場規模が拡大
しております。当連結会計年度において、主力製品である「ファーマギャバⓇ」、「ボーンペップⓇ」、「Ce
repronⓇ(セレプロン)」及びOEM事業の売上が大幅に増加したことにより、機能性素材事業全体の売
上を押し上げることとなりました。
国内においては、「ファーマギャバⓇ」の売上高は、前期比61.6%増の750百万円となりました。国内の食品
及び飲料業界のナショナルブランドが「ファーマギャバⓇ」の採用を拡大した結果、「GABA」の市場は更に
拡大を続けております。2015年開始の機能性表示食品制度における「GABA」の届出件数(2020年7月末時
点)は368件で引続き第1位の採用実績を維持しており、当社の「ファーマギャバⓇ」の売上が拡大いたしまし
た。OEM事業においては、当社の機能性食品素材を配合したヘルスケア企業向け栄養バー及び通信販売企業向
け飲料への製品供給が増加いたしました。
海外においては、「ファーマギャバⓇ」が好調を維持するとともに、「ボーンペップⓇ」が伸長いたしまし
た。「ボーンペップⓇ」は、特に中国において、食品及び乳業メーカーへの需要が増加いたしました。同国での
「ボーンペップⓇ」のブランド化を進めるなど海外営業を強化したことにより、同製品の海外売上高は前期比
115.1%増の176百万円となりました。美白素材「セレプロン」は、中国における採用拡大により、海外売上高が
前期比42.4%増の98百万円となりました。
一方、研究開発においては、「GABA」の認知機能に対する臨床試験において、その有効性を世界で初めて
見出すことに成功いたしました。認知機能、記憶力等の機能は、これまでにない商品コンセプトとして、食品及
び飲料メーカー等から引き合いを受けております。すでに、大手メーカーにおいて認知機能を向上させる商品へ
「ファーマギャバⓇ」の採用が決定しております。一般食品にも添加が容易な当社の「ファーマギャバⓇ」の採
用を増やすことにより、認知機能サポート市場での販売拡大を図ります。
さらに、「ファーマギャバⓇ」とプロテイン摂取による「筋肉量」の増加を明らかにいたしました。アスリー
トの運動パフォーマンスの向上には、「筋肉量」の増加のほか、良質な「睡眠」が必要不可欠です。「ファーマ
ギャバⓇ」は、今回明らかになった「筋肉量の増加」とともに、「睡眠の質」を向上させる機能が既に証明され
ているため、5,000億円規模の米国プロテインパウダー市場において競争力を有しております。「睡眠と筋肉」
の新しいコンセプトが、プロテインメーカー各社に受け入れられ、プロテインドリンク及びサプリメントへの採
用が増加いたしました。
当連結会計期間においては、研究開発費の積極投資を継続しつつ、中長期での売上及び利益の成長のため販売
構成の見直しにも取り組んでおり、前年同期比で増収・増益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の機能性素材事業の売上高は、2,575百万円(前期比44.9%増)、セグメント利
益は799百万円(前期比12.1%増)となりました。
(通信販売事業)
通信販売事業では、「発明企業の通販事業」として当社独自の機能性素材を配合したサプリメント及び医薬部
外品(「タマゴ基地Ⓡ」ブランド)並びに化粧品(「SOGNANDO」(ソニャンドⓇ)ブランド等)等の商
品を、通信販売の方式で消費者に直接販売しております。
当連結会計年度においても、年間の広告宣伝の大半を上期までに集中投資し、下期で利益回収する「通期黒字
化モデル」が継続して実行されました。広告宣伝への積極投資を続けながらも、利益拡大にも成功しており、下
期のセグメント損益は2,149百万円の黒字となりました。通信販売事業の通期黒字化モデル
新規顧客獲得を目的とした広告宣伝費は、7,370百万円(前期は4,926百万円)となりました。投資額の拡大と
同時に、広告クリエイティブの改善及びインターネット広告比率の上昇による顧客獲得単価(CPO※1)の低
減並びにコールセンターの拡充による定期顧客獲得率及び継続率の改善により、投資効率が大幅に改善いたしま
した。広告宣伝費と定期顧客数
サプリメント、医薬部外品の販売では、「タマゴサミンⓇ」及び「ニューモⓇ育毛剤」に注力いたしました。
当連結累計期間では、「ニューモⓇ育毛剤」が約80万本の出荷となり、増収・増益をけん引いたしました。「ニ
ューモⓇ育毛剤」は、インターネット中心の販売でCPOの改善傾向を維持したうえで、特に第4四半期連結会
計期間では、テレビ広告においても効率的な顧客獲得に成功いたしました。
化粧品の販売では、「珠肌のうみつⓇ」「ヘアボーテⓇ エクラ ボタニカルエアカラーフォーム」の販売拡大
に注力いたしました。当期より新たに取り組んでいる「ボタニカルエアカラーフォーム」は、2020年3月の出荷
から5カ月間で約16万本の出荷となりました。「珠肌のうみつⓇ」は、紙媒体を中心に効率の良い広告宣伝を行
いました。当連結会計年度ではCPOの改善とCRM※2施策による継続率向上とあわせ、収益に寄与いたしま
した。当連結会計期間末時点の定期顧客件数は244,715件(前期は121,889件)と、前期比2倍超の大幅な増加となり
ました。新規顧客獲得におけるCPO管理の徹底及び定期継続率向上のためのCRM施策強化により、収益基盤
が大きく向上することとなりました。
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、当社子会社運営のコールセンターが感染予防策を徹底し、感染者を発
生させることなく業務運営を継続したことにより、業績への影響は生じませんでした。
以上の結果、当連結会計年度の通信販売事業の売上高は、12,591百万円(前期比47.7%増)と大幅な増収とな
りました。更なる成長を見据えた積極的な投資を行いながら、投資効率が改善した結果、セグメント利益は573
百万円(前期比98.7%増)となりました。
ファーマフーズの株価推移
ファーマフーズ(2929)の2020年9月7日時点での日足チャートは以下の通り。
今年の1月から大きく上昇していた株価ですが、コロナショックによって一時600円程度まで下げていました。
その後緩やかに上昇していましたが、6月の3Q決算後に大きく上昇。
一時1400円を付ける場面もありましたが調整などもあり、現在は1,100円1,200円あたりを推移しています。
8月26日の場中に上方修正の発表がありましたが、当日こそ株価が上がったものの翌日から2日間の調整がありじわじわ上昇しているところでした。
【9月7日時点の指標】
- PER:48.06
- PSR:3.37
- PEGレシオ:1.2(PER48.06÷利益成長率40)
※PSR(株価売上高倍率) ※PEGレシオ(PERを、一株当たりの利益成長率で割った指標)
PERは少し高めですが、ファーマフーズの実績PERは52.2~95で推移していたことを考えると割高とはいえないと思います。
PSRも適性範囲内で、PEGレシオも高くない数値だと言えるでしょう。
今回の決算発表では今期の大きな成長を期待させる決算発表で、超絶決算といえるだけのサプライズ決算だと言えるでしょう。
広告宣伝費をこなしてしっかりと最高益を達成しているのにも好感でき、株価は上を目指していくのではないでしょうか。
決算発表での決算短信には今後の株価上昇のヒントが詰まっています。
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