インスペックの第1四半期決算発表が9月7日に迫ってきました。
今回は気になるインスペック(6656)の決算について、前回の決算内容をもとに調べてみました。
是非ご覧ください。
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インスペック(6656)の決算予想 9月7日第1四半期決算発表予定
【インスペックの概要】
- 時価総額:104億円
- 設立:1991年
- 上場:2006年6月
- 売上高:23.48億円(20・4)/ 24億円(21・4予)
- 営業利益:0.44億円(20・4) / 1.7億円(21・4予)
【特色】半導体用精密基板の最終外観検査装置(AVI)・パターン検査装置(AOI)を製造。台湾に販社
【連結事業】半導体パッケージ基板等検査装置関連80(8)、精密基板製造装置関連20(-24) <20・4>
【商談進まず】期初受注残減で厳しい。主力の半導体基板外観検査装置は顧客の投資意欲減退もあり商談遅れ受注低迷不可避。精密基板製造装置関連事業も回復感なく赤字続く。ただ下期稼働率向上し利益好転。
ではまずは前回の決算内容を見てみましょう。
2020年6月5日の通期決算内容
前回発表された通期の決算短信は上記の通り。
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 利益率 | 1株益 | |
20.4(実績) | 2,348百万円 | 44百万円 | 98百万円 | 1.9% | 20.24円 |
20.5~10月(四季報予想) | 1,250百万円 | 90百万円 | 80百万円 | 7.2% | 17.2円 |
21.4(通期四季報予想) | 2,400百万円 | 170百万円 | 130百万円 | 7.1% | 26.5円 |
売上高・利益ともに前年から大きく減少しました。
大幅な減額となりましたが、今後の業績はどのように推移していくでしょうか。
直近四半期の売上利益
直近四半期の伸び率は今後の業績が伸びていくかを見るうえで重要な指標です。
インスペックの四半期ごとの売上・利益・利益率の推移は下記の通り。
売上高 | 営業利益 | 利益率 | |
20.2~4(第4四半期) | 622百万円(84.4%) | 4百万円(5.3%) | 0.6%(5.9%) |
19.11~1(第3四半期) | 314百万円(44%) | -128百万円(ー) | -40.8%(ー) |
19.8~10(第2四半期) | 523百万円(65.5%) | -7百万円(ー) | -1.3%(ー) |
19.5~7(第1四半期) | 889百万円(148.7%) | 175百万円(1250%) | 19.7%(856.5%) |
19.2~4(前期 第4四半期) | 737百万円 | 75百万円 | 10.2% |
18.11~1(前期 第3四半期) | 713百万円 | 100百万円 | 14.0% |
18.8~10(前期 第2四半期) | 799百万円 | 127百万円 | 15.9% |
18.5~7(前期 第1四半期) | 598百万円 | 14百万円 | 2.3% |
第2四半期以降の売り上げは前年を下回っており、営業利益もマイナスが続いております。
インスペックのセグメントごとの売上利益
インスペックのセグメントごとの売上・利益も見ておきましょう。
セグメント | 売上高 | 営業利益 | 利益率 |
半導体パッケージ基板・精密基板検査装置関連事業 | 1,881百万円(17.8%減) | 149百万円(54.4%減) | 7.9% |
精密基板製造装置関連事業 | 467百万円(16.6%減) | ー110百万円(前年同期ー22百万円) | ー |
①半導体パッケージ基板・精密基板検査装置関連事業(当社)
当連結会計年度においては、米中貿易摩擦の影響により、当連結会計年度の前半においてユーザーが投資判断
を先送りする傾向にありました。その後、当連結会計年度の後半より、主に当社が現在戦略的に取り組んでおり
ますロールtoロール型検査装置の商談が進展し、受注が持ち直してきておりましたが、新型コロナウイルスの急
速な感染拡大の影響により、当連結会計年度の売上高は当初計画を下回りました。
なお、当連結会計年度の受注の状況につきましては、主に新規の国内顧客からFPC用ロールtoロール型検査
装置及びフラットベッド型検査装置を受注し、当連結会計年度における受注額は1,489百万円(前年同期比
30.9%減)となっており、当連結会計年度末における受注残高は929百万円(前年同期比29.7%減)となりまし
た。
この結果、当事業の売上高は1,881百万円(前年同期比17.8%減)となり、セグメント利益は149百万円(前年
同期比54.4%減)となりました。
②精密基板製造装置関連事業(First EIE SA)
当連結会計年度においては、当事業の主力製品でありますフォトプロッター(基板のフィルム原版を印刷する
装置)及びダイレクトイメージング装置(基板にパターンを直接描画する装置)が売上を牽引しておりますが、
米中貿易摩擦の影響により中国市場において投資のタイミングを先延ばしにする傾向がみられ、さらに新型コロ
ナウイルスの感染拡大により、当連結会計年度の売上高は当初計画を下回りました。
この結果、当事業の売上高は467百万円(前年同期比16.6%減)となり、セグメント損失は110百万円(前年同
期はセグメント損失22百万円)となりました。
インスペックの今後の見通し
今後の世界の経済情勢は、新型コロナウイルスの世界的流行による実体経済の悪化が強く懸念されます。このよ
うな状況の中、当社グループは、ニーズが拡大しているFPC向けロールtoロール型検査装置、チップ部品やフラ
ットパネルディスプレイ向けのインライン検査システム、さらにクラウドサーバーの継続的な拡大やAIの急速な
進化の対応で微細化が加速しているCPUやGPU向け超精密基板向け検査装置を主力製品として、競争力を更に
高め顧客との信頼関係を強固にして、検査装置事業及びプリント基板製造装置関連事業の拡大に取り組んでまいり
ます。
また、新規事業として取り組んでいるロールtoロール型シームレスレーザー直描露光機については、販売活動の
強化策として、当社ホームページを生かしたデジタルマーケティングを活用するなど受注獲得に努めてまいりま
す。
なお、剰余金の配当につきましては、当社はこれまで無配を継続しておりましたが、当社の業績及び財政状態等
を総合的に勘案した結果、期末配当として1株当たり3円を実施する予定です。また、次期の配当につきまして
は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により厳しい経営環境が予想されますが、普通配当を維持していく予定
です。
2021年4月期の連結業績見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大が終息し、日本国内を自由に往来で
きるようになり、主要事業国の台湾、中国において渡航制限が解除されることを前提としております。
売上高 2,400百万円(前連結会計年度は2,348百万円)
営業利益 170百万円(前連結会計年度は 44百万円)
経常利益 130百万円(前連結会計年度は 98百万円)
親会社株主に帰属する当期純利益 100百万円(前連結会計年度は 70百万円)
※ 2021年4月期の業績見通しにつきましては、現時点で入手可能な情報から得られた判断に基づいております。
予想にはさまざまな不確定要素が内在されており、実際の業績は種々の要素により業績予想とは異なる場合があ
ります。
インスペックの株価推移
インスペック(6656)の2020年9月4日時点での日足チャートは以下の通り。
コロナショック以前は株価が大きく上昇していましたが、コロナショックで2000円を割り込む場面もあり、その後の業績も伸びず、株価は3,000円前後で低迷を続けています。
【9月4日時点の指標】
- PER:108.29
- PSR:4.68
- PEGレシオ:ー(PER108.29÷利益成長率マイナス)
※PSR(株価売上高倍率) ※PEGレシオ(PERを、一株当たりの利益成長率で割った指標)
現状は割高だと言わざるを得ません。
インスペックの決算予想まとめ
インスペックの9月7日の決算発表を前に、過去の決算発表を調べてみました。
新型コロナウィルスによる影響を受けた企業のひとつで、現状は業績の回復が遅れている状態だと言えるでしょう。
ただ、インスペックの株価が上昇するかどうかは「自動車向け長尺FPC用ロールtoロール型シームレスレーザー直描露光機」の受注についての動きがあるかどうか次第といえるのではないでしょうか。
こちらに関するニュースが出れば一気に株価が伸びる可能性もありますので、長期で保有できる方は持っていても良いかと思いますが、決算前に急いで買わなくても良いのではないかと思います。
- 投資判断:見送り
※投資はご自身の判断にて行っていただきますようお願いします。
決算発表での決算短信には今後の株価上昇のヒントが詰まっています。
ファンダメンタルで投資する際には決算短信の読み方を詳しく知っているかどうかは非常に重要となってきます。
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