ケア21(2373)の第3四半期決算発表が9月4日に行われました。
決算への期待もあり、このところ株価が上昇していましたが、今回の決算で株価はどう動いていくでしょうか。
今回の決算についてまとめてみましたので是非ご覧ください。
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ケア21(2373)の決算まとめ 9月4日第3四半期決算発表
【ケア21の概要】
- 時価総額：78.8億円
- 設立：1993年
- 上場：2003年10月
- 売上高：309.64億円(19.10）/ 340億円(20・10予)
- 営業利益：11.26億円(19・7) / 12億円(20・7予)
【特色】関西地盤の在宅介護や老人ホームなど施設介護が軸。関東地区も強化中。総合福祉企業を標榜
【連結事業】在宅系介護30(13)、施設系介護58(4)、他12(10) <19・10>
【連続増益】老人ホーム新設３（前期４）に絞る一方、既存施設の高稼働続く。在宅系は管理人材育成進み訪問介護の拠点新設が前期７から倍増の勢い。既存の在宅拠点も底堅い。連続営業増益。増配上積みも。21年10月期は在宅、施設とも堅調。増益基調。
では早速今回の決算を見てみましょう。
2020年9月3日の第3四半期決算内容
前回発表された第2四半期の決算短信は上記の通り。
| 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 利益率 | 1株益 | |
| 19.11～7(実績) | 25,151百万円 | 1,113百万円 | 1,016百万円 | 4.4％ | 141.78円 |
| 20.10(四季報予想) | 34,000百万円 | 1,200百万円 | 1,000百万円 | 3.5％ | 127円 |
| 21.10(来期 四季報予想) | 37,000百万円 | 1,300百万円 | 1,100百万円 | 3.5％ | 140.4円 |
四季報予想での進捗率は売上高が74％、営業利益が92.8％となっております。
特に利益が大きく伸びていることがわかります。
第2四半期の時点での営業利益の進捗率は51.5％だったので、第3四半期に大きく伸びていることがわかります。
今回の好決算に伴い、業績の上方修正も行われました。
2020年10月期の業績予想修正に関するお知らせ
売上高は据え置いていますが、営業利益は44.4％に上方修正されました。
ただ、これでも通期の進捗率は85.6％ですので、次回の決算に上回ることも容易に想像できます。
【修正の理由】
本日公表いたしました 2020 年 10 月期第 3 四半期累計期間の業績におきましても、第 2 四半
期累計期間に引き続き、施設系事業所の稼働率が全体として当初予想より高く推移したことに
加え、在宅系事業所に関しましても新規利用者獲得のための施策効果が予想を上回り、利用者
増とサービス提供との好循環が生まれ利益効率を押し上げたことにより、当初予想を上回る決
算となっております。
第 4 四半期におきましても、既存事業所における売上高および利益水準は比較的良好に推移
するものと予想しておりますが、当初より第 4 四半期には当社運営有料老人ホームにおける上
位ブランドであるグランシリーズの、プレザングラン中野鷺宮（9 月 1 日開設、東京都中野区）
およびプレザングラン門戸厄神（12 月 1 日開設予定、兵庫県西宮市）の開設準備費用の計上を
見込んでおりました。また、新型コロナウイルス感染症の流行下という困難な状況にも関わら
ず当期業績が好調に着地する見込みであることから、従業員の精勤に報いるための施策を検討
しており、当該費用についても第 4 四半期での計上を見込んでおります。
その結果、上記のとおり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益が当初予
想を上回る見込みとなっております。
コロナ禍の中、ケア21の事業が順調に推移したことがわかります。
利益の進捗率が高いのですが、第4四半期は従業員への報酬などで使うことも検討しているようで1,300百万円を少し上回るあたりで落ち着くかもしれませんね。
四半期ごとの動きも見てみましょう。
直近四半期の売上利益
直近四半期の伸び率は今後の業績が伸びていくかを見るうえで重要な指標です。
ケア21の四半期ごとの売上・利益・利益率の推移は下記の通り。
| 売上高 | 営業利益 | 利益率 | |
| 20.5～7(第3四半期) | 8,615百万円(109.2％) | 495百万円(128.6％) | 5.7％(116.3％) |
| 20.2～4(第2四半期) | 8,235百万円(110.5％) | 226百万円(233％) | 2.7％(207.7％) |
| 19.11～1(第1四半期) | 8,301百万円(111.1％) | 392百万円(150.2％) | 4.7％(134.3％) |
| 19.8～10(前期 第4四半期) | 8,149百万円(109.6％) | 383百万円(100％） | 4.7％(90.4％) |
| 19.5～7(前期 第3四半期) | 7,890百万円(109％) | 385百万円(146.9％) | 4.9％(136％) |
| 19.2～4(前期 第2四半期) | 7,455百万円 | 97百万円 | 1.3％ |
| 18.11～1(前期 第1四半期) | 7,470百万円 | 261百万円 | 3.5％ |
| 18.8～10(前々期 第4四半期) | 7,435百万円 | 383百万円 | 5.2％ |
| 18.5～7(前々期 第3四半期) | 7,238百万円 | 262百万円 | 3.6％ |
各四半期とも売上高・利益は前期を上回ておりますが、特に今四半期は大きく伸びていることがわかります。
売上が86億円で営業利益が5億円に迫る4.95億円。
ケア21のセグメントごとの売上利益
ケア21のセグメントごとの売上・利益も見ておきましょう。
| セグメント | 売上高 | 営業利益 | 利益率 |
| 在宅系介護事業 | 85億７百万円（4.7％増） | 11億３百万円（19.9％増） | 13.0％ |
| 施設系介護事業 | 135億67百万円（13.6％増） | ７億51百万円（69.3％増） | 5.5％ |
| その他事業 | 48億42百万円（15.9％増） | ３億56百万円（12.0％減） | 10.4％ |
各事業とも前期を上回っております。
①在宅系介護事業
当事業におきましては、当第３四半期連結累計期間において、宮城県に１拠点、東京都に３拠点、京都府に２
拠点、大阪府に３拠点、兵庫県に２拠点の計11拠点を出店いたしました。出店に際しては緻密なマーケティング
と十分な人材育成をベースに推し進め、早期黒字化を図るとともに、介護職の処遇改善に努めてまいりました。
その結果、当第３四半期連結累計期間の売上高は85億７百万円（前年同期比4.7％増）、セグメント利益は11億３
百万円（同19.9％増）となりました。
②施設系介護事業
当事業におきましては、当第３四半期連結累計期間において、千葉県に１施設、兵庫県に１施設をオープンい
たしました。また、前期および当第３四半期連結累計期間までにオープンした施設の稼働率向上のため、重点的
に営業を行ったことが奏功し、当事業の業績は改善しております。その結果、当第３四半期連結累計期間の売上
高は135億67百万円（前年同期比13.6％増）、セグメント利益は７億51百万円（同69.3％増）となりました。今後
も引き続き入居者獲得に注力し、収益改善に取組んでまいります。
③その他
その他の事業におきましては、ご利用者の安心・安全・利便・生きがいを提供するため、障がい者(児)通所支
援サービス、訪問看護サービス、ダイニング事業、保育事業等において積極的な営業展開を図り、売上伸長に注
力いたしました。当第３四半期連結累計期間において、東京都および大阪府において開設いたしました認可保育
所に対して自治体から支給が決定された補助金を営業外収益に計上しております。しかしながら、介護人材の教
育事業他一部の事業において、緊急事態宣言発令期間に、営業活動の自粛や縮小を余儀なくされたことに加えて、
新規事業において先行投資に係るコストが発生しております。その結果、当第３四半期連結累計期間の売上高は
48億42百万円（前年同期比15.9％増）、セグメント利益は３億56百万円（同12.0％減）となりました
※第2四半期時のセグメントごとの売上・利益
| セグメント | 売上高 | 営業利益 | 利益率 |
| 在宅系介護事業 | 56億18百万円（5.0％増） | ６億80百万円（20.5％増） | 12.1％ |
| 施設系介護事業 | 89億77百万円（15.0％増） | ４億94百万円（113.3％増） | 5.5％ |
| その他事業 | 31億９百万円（15.8％増） | ３億22百万円（4.4％減） | 10.4％ |
ケア21の中間決算報告書内に今後の出店予定も掲載されております。
ケア21の株価推移
ケア21(2373)の2020年9月4日時点での日足チャートは以下の通り。
前回の上方修正(5月20日)や前回の決算発表(6月5日)には乱高下しましたが、8月に入ったあたりから株価は大きく上昇。
1,500円付近から一気に1,900円まで上昇。
今回の決算期待もあり大きく上昇している中での決算発表となりました。
【9月4日時点の指標】
- PER：15.31
- PSR：0.28
- PEGレシオ：1.53（PER15.31÷利益成長率10)
※PSR(株価売上高倍率) ※PEGレシオ(PERを、一株当たりの利益成長率で割った指標)
PSRが0.28と、かなり割安な水準。PERも15倍以下なのでまだ買いやすい株価ではないでしょうか。
PEGレシオも、利益成長率を10に設定しましたが、一株益の成長率で計算するともっと数値は低くなりますのでまだまだ割安ではないでしょうか。
今回の決算発表前は、株価上昇期待もあって株価が上がっているところだったので決算跨ぎはリスクが大きいかと思っておりましたが、今回の決算は予想を上回る好決算でした。
9月4日の夜のPTSは+84円となっています。
週明けの値動きはわかりませんが、一時的に下落する場面があったとしても基本的に上昇していくことが想定できます。
決算発表での決算短信には今後の株価上昇のヒントが詰まっています。
ファンダメンタルで投資する際には決算短信の読み方を詳しく知っているかどうかは非常に重要となってきます。
私自身、ファイナンシャルアカデミーで株式投資の基礎を学びました。
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