クリークアンドリバー社(4763)C&R社の第2四半期決算発表が本日10月8日に行われました。
クリーク・アンド・リバー社の前算についてまとめてみましたので是非ご覧ください。
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クリーク・アンド・リバー社(4763)C&R社の決算まとめ 10月8日第2四半期決算発表
【クリーク・アンド・リバー社の概要】
- 時価総額:278億円
- 設立:1990年
- 上場:2000年6月
- 売上高:329.46億円(20・2)/ 400億円(21・2予)
- 営業利益:20.83億円(20・2) / 26億円(21・2予)
【特色】テレビ・ゲーム・Web・広告等の派遣、制作が主。医療ほか専門職分野拡大。配当性向20%以上
【連結事業】クリエイティブ分野・日本74(5)、医療分野12(18)、会計・法曹分野6(11)、他7(-9)【海外】1 <20・2>
【続 伸】韓国持分会社の子会社化で売上膨らむ(利益貢献は小)。Web関連が中心のクリエーティブ派遣・請負が伸長。会計・弁護士や医師の紹介事業も安定増。継続的な人員増こなし営業益続伸。連続増配。
【M&A】Webアプリ等の開発会社、NHKへの制作スタッフ等の派遣会社を相次ぎ買収、当社本業とのシナジー創出狙う。医学生・研修医就職フェアは今期中止方針。
では早速今回の決算内容を見てみましょう。
2020年10月8日の第2四半期決算内容
発表された決算短信は上記の通り。
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 利益率 | 1株益 | |
20.3~8(実績) | 18,454百万円 | 1,455百万円 | 1,476百万円 | 7.9% | 43.81円 |
20.3~8(四季報予想) | 19,300百万円 | 1,400百万円 | 1,400百万円 | 7.3% | 38.1円 |
21.2(通期予想) | 40,000百万円 | 2,600百万円 | 2,600百万円 | 6.5% | 71.7円 |
第2四半期の四季報予想に対する達成率は、売上高が95.6% 営業利益が103.9%となっており、
通期の進捗率は、売上高が46.1% 営業利益が56.0%となっています。
進捗率はまずまずといったところでしょうか。
直近四半期の売上利益
直近四半期の伸び率は今後の業績が伸びていくかを見るうえで重要な指標です。
クリーク・アンド・リバー社の四半期ごとの売上・利益・利益率の推移は下記の通り。
売上高 | 営業利益 | 利益率 | |
20.6~8(第2四半期) | 9,068百万円(109.5%) | 406百万円(85.1%) | 4.5%(77.6%) |
20.3~5(第1四半期) | 9,486百万円(115.2%) | 1,049百万円(133.1%) | 11.1%(115.6%) |
19.12~2(前期 第4四半期) | 8,404百万円(112.3%) | 428百万円(230.1%) | 5.1%(204%) |
19.9~11(前期 第3四半期) | 8,030百万円(110.5%) | 390百万円(304.7%) | 4.9%(272.2%) |
19.6~8(前期 第2四半期) | 8,279百万円(111.1%) | 477百万円(97.1%) | 5.8%(87.9%) |
19.3~5(前期 第1四半期) | 8,233百万円 | 788百万円 | 9.6% |
18.12~2(前々期 第4四半期) | 7,485百万円 | 186百万円 | 2.5% |
18.9~11(前々期 第3四半期) | 7,266百万円 | 128百万円 | 1.8% |
18.6~8(前々期 第2四半期) | 7,452百万円 | 491百万円 | 6.6% |
第1四半期はかなり良い決算でしたが、それに比べて今回の決算はQoQではかなり下回ってしまっています。
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大や長期化する米中貿易摩擦の
影響により経済活動が停滞し、先行きの不安も含め非常に厳しい状況で推移いたしました。
当社グループが展開する人材サービス事業におきましても、厚生労働省が発表する有効求人倍率が8カ月連続で
低下し、2020年8月時点で1.04倍(「一般職業紹介状況(令和2年8月分)について」厚生労働省調べ)となり、
雇用情勢の悪化傾向は顕著になっております。
このような環境の中、当社グループは「人の能力をプロデュースすることにより社会に貢献する」ことを理念と
して掲げ、事業を運営してまいりました。当社グループのネットワークする、クリエイター、医師、ITエンジニ
ア、弁護士、会計士、建築士、ファッションデザイナー、シェフ、プロフェッサー、舞台芸術家等、専門的な能力
を有するプロフェッショナルへのニーズを的確に捉えることで、当第2四半期連結累計期間の業績は前年の実績を
上回って推移いたしました。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療分野における医学生向けイベントの中止、クリエイティブ分野(日
本)におけるアウトソーシング案件の受注の減少等、一部にマイナス影響が発生いたしました。また、クライアン
トの経営環境悪化に伴う採用意欲の減退によりエージェンシー事業の進捗に遅れが生じ、第3四半期以降の連結業
績への影響が懸念される状況にありますが、当第2四半期連結累計期間においては、電子書籍やYouTube等のライ
ツ事業が好調に推移したことをはじめとし、人材サービス事業と併せその影響を吸収し、今後の成長につながる取
り組みも積極的に推進いたしました。また、役職員の働き方の見直しや徹底的な無駄の排除による販売費及び一般
管理費の効率化に継続して取り組み、利益面においては計画を上回って推移いたしました。
これらの結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高18,454百万円(前年同期比
111.8%)、営業利益1,455百万円(前年同期比115.0%)、経常利益1,476百万円(前年同期比116.3%)、親会社
株主に帰属する四半期純利益は966百万円(前年同期比122.1%)となりました。
クリーク・アンド・リバー社のセグメントごとの売上利益
クリーク・アンド・リバー社のセグメントごとの売上利益も見てみましょう。
セグメント | 売上高 | 営業利益 | 利益率 |
クリエイティブ分野(日本) | 12,470百万円(104.7%) | 817百万円(153.1%) | 6.6% |
クリエイティブ分野(韓国) | 1,674百万円(前年同期15百万円) | -15百万円(前年同期は-60百万円) | ー |
医療分野 | 2,302百万円(90.0%) | 666百万円(88.9%) | 28.9% |
会計・法曹分野 | 1,010百万円(96.7%) | 66百万円(62.1%) | 6.5% |
その他分野 | 1,049百万円(前年同期比97.8%) | -82百万円(前年同期-60百万円) | ー |
報告セグメントごとの業績は次のとおりであります。
① クリエイティブ分野(日本)
クリエイティブ分野(日本)は、グループの中核となる当社が、映像、ゲーム、Web、広告・出版等のクリエ
イティブ領域で活躍するクリエイターを対象としたプロデュース、エージェンシー、ライツマネジメント事業を
展開している他、連結子会社である株式会社クレイテックワークスがゲーム分野のプロデュース事業を、2020年
7月3日に株式取得により連結子会社化した株式会社ウイングがTV・映像分野のエージェンシー事業を展開して
おります。
映像・TV・映像技術関連分野においては、制作スタジオを中心にTV番組の企画・制作力を強化し、バラエテ
ィ、情報、ドキュメンタリー等地上波、BS番組の需要増に対応するとともに、動画配信サービスへの取り組みを
積極的に推進しております。また、映像業界に特化した自社の求人情報サイト「映像しごと.com」からの登録も
着実に伸長しております。NHK出身者により設立された株式会社ウイングは、NHK及び関連会社の番組制作・編集
部門へのスタッフ派遣事業、気象キャスターの派遣等を展開しており、当社の持つ幅広いネットワークとの融
合、シナジー効果をはかってまいります。
YouTubeを中心に活動する動画クリエイターをサポートするMCN「The Online Creators(OC)」では、YouTuber
によりアップロードされた動画の再生回数が順調に増加しております。10代に圧倒的な人気の「超十代チャンネ
ル ULTRA TEENS Channel」をはじめとした自社企画・制作・運営によるチャンネルへの対応や、2020年8月に
任天堂株式会社と締結したゲーム著作物の利用に関する包括的な許諾契約等を通じて、急成長する動画市場への
取り組みを強化しております。
ゲーム分野においては、制作スタジオでの制作受託案件や、IP(知的財産)を活用した自社開発を推進してお
ります。業界未経験者のための育成機関「クリエイティブ・アカデミー」を立ち上げ、人手不足と言われるゲー
ム業界のニーズに着実に対応しております。VR(Virtual Reality:仮想現実)への取り組みに関しては、連結
子会社株式会社VR Japanと連携して「VR遠隔通信システム」の開発に取り組む他、企業の教育研修やアミューズ
メント施設、ホテルや観光施設、イベント・展示会など、ビジネス領域においてハードからコンテンツまで一貫
したソリューションの提供を進め、実績を積み重ねております。また、前年同時期に株式会社クレイテックワー
クスにおいて展開した、自社開発のスマートフォン向けゲーム「パレットパレード」への投資が減少したことと
併せ、収益が大幅に改善しております。
Web分野においては、自社運営する求人情報サイト「Webist(ウェビスト)」、「Symbiorise(シンビオライ
ズ)」を通じてWebクリイター及びデジタルマーケティング領域におけるデータサイエンティスト等のネットワ
ーク拡充をはかっております。データマーケティング領域への需要が旺盛に推移する一方で、新型コロナウイル
スの感染拡大に伴い、求人情報サイトやグルメ情報サイトの運用案件の受注にマイナスの影響が生じました。
出版分野では、Amazon Kindleをはじめとした複数の電子書店に対し当社が取次を行なう電子書籍取次におい
て、新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う外出自粛要請による巣籠り需要も手伝い、配信数、ダウンロード
が引き続き順調に増加しております。
建築分野では、一級建築士の紹介及びBIM技術者の派遣を行なうエージェンシー事業が堅調に成長している
他、特徴的な賃貸物件をプロデュースする「CREATIVE RESIDENCEⓇ」の展開、また、2020年4月より、VR空間で
ハウスメーカーや工務店等が顧客に住宅をプレゼンテーション・販売できるサービス「超建築VR」を本格始動い
たしました。
また、新たな分野として、AI等コンピュータサイエンスの研究者や博士、ライフサイエンスの研究開発者や研
究開発補助者、落語家やプロの役者、全国大会などへの出場経験を持つアスリート、企業における業務や機能の
最高責任者であるCXOのエージェンシー事業を展開し、今後の成長に繋がる取り組みを積極的に展開しておりま
す。
これらの結果、クリエイティブ分野(日本)は売上高12,470百万円(前年同期比104.7%)、セグメント利益
(営業利益)817百万円(前年同期比153.1%)となりました。
② クリエイティブ分野(韓国)
クリエイティブ分野(韓国)は、連結子会社CREEK & RIVER KOREA Co.,Ltd.及び連結子会社CREEK & RIVER
ENTERTAINMENT Co.,Ltd.が、クリエイティブ分野(日本)と同様のビジネスモデルを韓国にて展開しておりま
す。
CREEK & RIVER KOREA Co.,Ltd.では、韓国の人気ゲームを全世界で配信するライツマネジメント事業を展開し
ておりますが、新型コロナウイルスの影響もあり、各国におけるゲーム配信に遅れが生じております。
TV・映像領域におけるエージェンシー事業を展開するCREEK & RIVER ENTERTAINMENT Co.,Ltd.は、資本構成の
見直しにより連結子会社へと位置付けを変更いたしました。今後は、当社との連携を高め、漫画等の電子配信事
業等にて収益の多様化をはかってまいります。
これらの結果、クリエイティブ分野(韓国)は売上高1,674百万円(前年同期は15百万円)、セグメント損失
(営業損失)15百万円(前年同期はセグメント損失60百万円)となりました。
③ 医療分野
医療分野は、連結子会社株式会社メディカル・プリンシプル社が、「民間医局」のブランドのもと、ドクタ
ー・エージェンシーを中心とした事業を展開しております。
医療機関や自治体、医師や看護師の多様なニーズに応えるべく、医師の紹介事業を中心に、医学生・研修医を
対象として全国各地で開催する「レジナビフェア」、臨床研修情報サイト「レジナビ」、医師の転職・求人・募
集情報サイト「MediGate(メディゲート)」、医師を対象に提供する教育プログラム「民間医局アカデミー」等
のサービスを展開しております。
医師の紹介事業については、全国各地での慢性的な医師不足、地域的偏在を背景に医師へのニーズは引き続き
高水準であり、前年の売上高、営業利益を上回って推移いたしました。一方で、新型コロナウイルスの感染拡大
に伴い、医学生・研修医を対象とした「レジナビフェア」の全国各地での開催を中止せざるを得ず、オンライン
開催を急速に推進したものの、当第2四半期連結累計期間においては、業績に大きなマイナス影響を与えまし
た。
これらの結果、医療分野は売上高2,302百万円(前年同期比90.0%)、セグメント利益(営業利益)666百万円
(前年同期比88.9%)となりました。
④ 会計・法曹分野
会計・法曹分野は、連結子会社ジャスネットコミュニケーションズ株式会社及び、連結子会社株式会社C&R
リーガル・エージェンシー社が、会計士や弁護士を対象としたエージェンシー事業を中心に展開しております。
関連各種団体との関係強化、クライアント企業・事務所との共同セミナーの積極的な開催等を通じ、業界内に
おける認知度向上を図り、エージェンシー事業のさらなる拡大に努めております。また、これまで培ってきたネ
ットワークを活かし、会計事務所やその顧問先の事業承継ニーズに対応すべく、「事業承継・M&A支援サービ
ス」を本格的に開始した他、多様な会計分野の働き方に対応するために、在宅で活躍する会計人材の紹介事業を
行なう等、サービスの拡充を図っております。
会計・法曹両領域とも、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、クライアントからのオーダーの減少や採用選
考の進捗に著しい遅延が発生し、当第2四半期連結累計期間における売上高及びセグメント利益は、前年同四半
期を下回って推移いたしました。
これらの結果、会計・法曹分野は売上高1,010百万円(前年同期比96.7%)、セグメント利益(営業利益)66
百万円(前年同期比62.1%)となりました。
⑤ その他の事業
IT分野のエージェンシー事業を展開する連結子会社株式会社リーディング・エッジ社では、ロボット・AI等、
市場ニーズに合わせ、プログラム言語Pythonに精通した5,000名以上のエンジニア等のネットワークを構築し、
IT技術者の採用や育成、紹介に取り組んでおります。エンジニアに対するニーズは引き続き旺盛で、業績は順調
に推移いたしました。
一方、ファッション分野のエージェンシー事業を展開する連結子会社株式会社インター・ベルは、販売職の派
遣及び店舗の運営代行業務等を展開しておりますが、政府による緊急事態宣言の発令に伴い、全国的に百貨店や
商業施設が営業自粛となり、多くの人員が自宅待機を余儀なくされました。緊急事態宣言解除後もニーズの減退
により売上高が減少し、損益にマイナスの影響を与える結果となりましたが、助成金等の活用によりその影響を
最小限に留めております。
人材メディア事業を展開する連結子会社株式会社プロフェッショナルメディアにおいては、広告・Web業界専
門の求人サイト「広告転職.com」を中心としたメディア事業及びエージェンシー事業に加え、映像分野やファッ
ション分野、デジタルマーケティング分野への展開を進め、収益の多様化をはかっております。
連結子会社株式会社VR Japanは、中国IDEALENS社及びSKYWORTH社のVRゴーグルの日本国内での販売を行なって
おります。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、同社が有する「VR遠隔同時講義システム」及び「低遅延リア
ルタイム通信システム」に対するニーズが増加する一方で、中国における生産ラインがストップしたこと等によ
り、クライアントからのオーダーに応えられない状況が生じております。
AIを用いたシステムの企画・開発・販売・運用・保守事業を行なう連結子会社株式会社Idrasysでは、需要予
測やスコアリング等を可能にする独自のAIクラウドプラットフォーム「Forecasting Experience」をリリースす
る等、企業がAIを活かすためのソリューションパートナーを目指しております。
データ分析サービス事業を展開する連結子会社エコノミックインデックス株式会社は、独自の分析手法で顧客
に改善策を提案するデータ解析サービスやコンサルティングでの収益化に取り組むとともに、データ解析結果に
基づくソリューションサービスを提供しております。
当第2四半期連結累計期間における売上高及びセグメント利益は、ファッション分野におけるエージェンシー
事業や中国でのVRゴーグルの生産において新型コロナウイルスの影響を受けたこと等により、前年同期を下回っ
て推移いたしました。
これらの結果、その他の事業は売上高1,049百万円(前年同期比97.8%)、セグメント損失(営業損失)82百
万円(前年同期はセグメント損失60百万円)となりました。
クリーク・アンド・リバー社の株価推移
クリーク・アンド・リバー社(4763)の2020年10月8日時点での日足チャートは以下の通り。
コロナショックで一時600円まで落ち込んだ株価ですが、徐々に回復し、前回の好決算を受けて大きく上昇。
現在は1,400円を超える株価で推移しています。
前回、好決算で進捗率が高かったこともあり、決算期待から株価が上がっている分もあるでしょう。
【10月8日時点の指標】
- PER:20.66
- PSR:0.95
- PEGレシオ:1.20(PER20.66÷利益成長率17.2)
※PSR(株価売上高倍率) ※PEGレシオ(PERを、一株当たりの利益成長率で割った指標)
指標的にはそこまで割高感はありませんが、決算への期待がかなり高かったところの今回の決算となりました。
決して悪いものではないのですが、想定していた上方修正などもなく、失望感の漂う決算となり、株価は安く始まることが予想されます。
ただ、指標的にも割高感はなく、通期の成長率も高いので、安くなっているところでは買いを入れても良いのではないでしょうか。
決算発表での決算短信には今後の株価上昇のヒントが詰まっています。
ファンダメンタルで投資する際には決算短信の読み方を詳しく知っているかどうかは非常に重要となってきます。
私自身、ファイナンシャルアカデミーで株式投資の基礎を学びました。
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