ダイコー通産(7673)の通期決算発表が7月7日に行われました。
次回決算が10月8日に近づいてきておりますが、決算発表を前に前回の決算を振り返ってみました。
今後の投資の参考にぜひご覧ください。
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ダイコー通産(7673)の決算まとめ 7月7日通期決算発表
【ダイコー通産の概要】
- 時価総額:65億円
- 設立:1975年
- 上場:2019年3月
- 売上高:155.44億円(20・5)/ 165億円(21・5予)
- 営業利益:7.63億円(20・5) / 8.1億円(21・5予)
【特色】電線・ケーブル、通信機器などの商社。通信工事施工会社、通信事業者、電力会社などが顧客
【単独事業】ケーブル24、材料50、機器26、他0 <20・5>
【順 調】CATVの大容量化、自治体防災無線のデジタル化、5G基地局整備など情報通信関連の投資が活発。光ケーブルや通信機器、部材の出荷は順調増。営業増益。営業外の市場変更費用剥落。連続増配。
【増 設】防災無線、CATVなど地方需要開拓。サービス向上で既存12営業所から増設検討。政府のGIGAスクール構想でLANケーブル、通信機器需要増に狙い。
では早速前回の決算内容を見てみましょう。
2020年7月7日の通期決算内容
発表された通期の決算短信は上記の通り。
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 利益率 | 1株益 | |
20.5(実績) | 15,544百万円 | 763百万円 | 756百万円 | 4.9% | 106.0円 |
20.5(四季報予想) | 15,900百万円 | 800百万円 | 810百万円 | 5.0% | 97.5円 |
21.5(今期) 今回発表 | 16,500百万円 | 806百万円 | 837百万円 | 4.9% | 107.9円 |
21.5(来期 四季報予想) | 16,700百万円 | 850百万円 | 860百万円 | 5.1% | 103.1円 |
前年比で増収増益となったものの、売上・利益ともに四季報予想を下回りました。
今期の予想も四季報予想を下回るものとなっています。
直近四半期の売上利益
直近四半期の伸び率は今後の業績が伸びていくかを見るうえで重要な指標です。
ダイコー通産の四半期ごとの売上・利益・利益率の推移は下記の通り。
売上高 | 営業利益 | 利益率 | |
20.3~5(第4四半期) | 4,221百万円(123.6%) | 243百万円(157.8%) | 5.8%(128.9%) |
19.12~2(第3四半期) | 4,128百万円(101.4%) | 211百万円(89.4%) | 5.1%(87.9%) |
19.9~11(第2四半期) | 3,754百万円 | 210百万円 | 5.6% |
19.6~8(第1四半期) | 3,441百万円 | 99百万円 | 2.9% |
19.3~5(前期 第4四半期) | 3,414百万円 | 154百万円 | 4.5% |
18.12~2(前期 第3四半期) | 4,069百万円 | 236百万円 | 5.8% |
第4四半期は大幅な増収増益となっており、いずれも過去の期と比べて最高となっています。
当事業年度におけるわが国経済は、政府の経済政策等により企業収益や雇用情勢は緩やかな回復基調であったも
のの、新型コロナウイルス感染症の拡大、全国に及んだ緊急事態宣言により企業活動が停滞し、期末にかけて厳し
い状況にありました。
当社が事業展開するCATV及び情報通信関連分野におきましては、IoTやAIといった新たな技術革新を支
える伝送路のデータ伝送量増加に対応するため、光伝送路構築やFTTH(※)等の通信インフラ基盤の大容量化
が継続しております。また、防災関連分野におきましては、地方自治体防災システムのデジタル化への更新が続い
ております。
※FTTHとは、Fiber to the Homeの略。通信事業者の設備から利用者建物等までを光ファイ
バーケーブルでつなぐアクセス方式。
このような状況のなか、多種多様の商品をワンストップで提供可能な体制と、過去の大型案件受注により得たノ
ウハウをお客様から評価していただき、FTTH案件や防災行政無線案件等を前事業年度に引き続き多数受注しま
した。また、中長期的な経営戦略に沿った提案型の営業活動に注力した結果、当事業年度の売上高は、155億4千4
百万円(前事業年度比3.3%増)、売上総利益は24億1千3百万円(前事業年度比1.7%増)、営業利益は7億6千3百
万円(前事業年度比1.7%増)、経常利益は7億5千6百万円(前事業年度比5.2%増)、当期純利益は5億6千5百万円
(前事業年度比22.9%増)となりました。
ダイコー通産のセグメントごとの売上利益
ダイコー通産のセグメントごとの売上・利益も見ておきましょう。
セグメント | 売上高 | 営業利益 | 利益率 |
ケーブル | 3,756,912千円(5.6%減) | 640,644千円(1.5%減) | 17.1% |
材料 | 7,804,677千円(8.4%増) | 1,346,927千円(1.6%増) | 17.3% |
機器 | 3,957,226千円(6.8%増) | 422,109千円(9.2%増) | 10.7% |
その他 | 25,500千円(84.2%減) | 3,951千円(65.9%減) | 15.5% |
ケーブル
FTTH案件及び屋内・屋外通信設備案件により光ケーブル販売、輸入ケーブル及び国内協業メーカー品の販売
が好調に推移しましたが、東日本ブロックにおける大型のFTTH案件の終息が影響したことから、売上高は
3,756,912千円(前事業年度比5.6%減)となり、売上総利益は640,644千円(前事業年度比1.5%減)となりまし
た。
材 料
防災行政無線案件により防災無線柱・装柱材料等、屋内通信設備案件により屋内ネットワーク材料の販売が好調
に推移したことから、売上高は7,804,677千円(前事業年度比8.4%増)となり、売上総利益は1,346,927千円(前
事業年度比1.6%増)となりました。
機 器
大型の消防通信設備案件、防災行政無線案件により機器の販売が好調に推移したことから、売上高は3,957,226
千円(前事業年度比6.8%増)となり、売上総利益は422,109千円(前事業年度比9.2%増)となりました。
そ の 他
その他は電気通信工事であり、当事業年度におきましては数件受注したことから、売上高は25,500千円(前事業
年度比84.2%減)となり、売上総利益は3,951千円(前事業年度比65.9%減)となりました。
トピックス
ダイコー通産の株価推移
ダイコー通産(7673)の2020年9月30日時点での日足チャートは以下の通り。
前回決算(7月7日)では増収増益だったものの四季報予想を下回ったこともあり、翌日高く始まるものの下落し、その後も調整が続きました。
このところ上昇しており、前回決算あたりの株価まで戻ってきています。
【9月30日時点の指標】
- PER:13.42
- PSR:0.48
- PEGレシオ:2.16(PER13.42÷利益成長率6.2)
※PSR(株価売上高倍率) ※PEGレシオ(PERを、一株当たりの利益成長率で割った指標)
PERやPSRは割安水準にあるものの、PEGレシオを見ると割安とは言えないか。
ただ、直近四半期のような売上・利益が続くなら今期の業績は予想を上回るペースとなるので、次回決算でそのあたりの数字がどうなっているか次第ではまだ株価は割安といえるでしょう。
決算発表での決算短信には今後の株価上昇のヒントが詰まっています。
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