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【好決算の注目銘柄】6969 松尾電機 特別損失はあるものの好業績で通期30%上方修正

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コンデンサー大手の松尾電機(6969)は2月10日に第3四半期の決算発表が行われました。

今回の決算発表に合わせて通期の上方修正も行われており、当日のPTSでは61円高(+9.56%)と好感されている銘柄です。

今回は松尾電機の決算発表の内容についてみていきましょう。

 

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【好決算の注目銘柄】6969 松尾電機 特別損失はあるものの好業績で通期30%上方修正

【松尾電機の概要】

  • 時価総額:24.7億円
  • 設立:1949年
  • 上場:1974年6月
  • 売上高:38.03億円(21.3)/ 46億円(22.3予)
  • 営業利益:2.62億円(21.3) / 5億円(22.3予)

コンデンサー大手、タンタルに強みを持っており、自動車用主力でデンソー向けが3割強の会社。このところ業績の伸びも著しい銘柄です。

 

まずは今回発表された決算発表の内容を見てみましょう。

 

2022年2月10日の通期決算発表の内容

2022年3月期第3四半期の連結業績(2021年4月1日~2021年12月31日)

売上高 営業利益 経常利益 利益率 1株益
21.4-12(実績) 今回発表 3,587百万円 494百万円 466百万円 13.8% -137.47円
22.3 (会社予想) 今回発表 4,700百万円 650百万円 610百万円 13.8% -65.47円
22.3 (四季報予想) 4,600百万円 500百万円 460百万円 10.9% 109.0円

第3四半期の決算発表では通期の進捗率が、売上高:78.0%、営業利益:98.8%で通期の上方修正も行われております。

通期の業績は売上高が2.2%増、営業利益が30%増となっています。

 

【通期業績予想の修正の理由】

今後の世界的な新型コロナウイルス感染症の動向等により経済の先行きが不透明な部分はありますが、当社
の業績は第4四半期会計期間も概ね堅調に推移し、原価低減の施策も寄与するため、売上高、営業利益、経常
利益ともに前回予想数値を上回る見込みです。また、当期純損失につきましても、「3.特別損失の内容」に記
載の独占禁止法等関連損失を計上しますが、前回発表数値から改善される見込みです。

【特別損失の内容】

2022 年3月期第3四半期会計期間(2021 年 10 月1日から同年 12 月 31 日まで)に、当社に対するコンデ
ンサ製品の取引に関する集団訴訟等に対応するための弁護士報酬等として、119百万円を計上する見込み
です。
なお、2022 年3月期第3四半期累計期間(2021 年4月1日から同年 12 月 31 日まで)では、782 百万円を
計上する見込みです。

特別損失はマイナス面ではありますが、21年12月にすでに発表されていた内容で、また前回発表の内容からは改善されているため、素直に業績の上方修正が好感される決算ではないでしょうか。

 

詳細についてみていきましょう。

 

 

直近四半期の売上利益

直近の業績の伸びがどうだったのか、直近四半期を元に四半期ごとの業績も見ておきましょう。

松尾電機の四半期ごとの売上・利益・利益率の推移は下記の通り。

売上高 営業利益 利益率
21.10-12(第3四半期) 1,214百万円(119.4%) 207百万円(225%) 17.1%
21.7-9(第2四半期) 1,111百万円 139百万円 12.5%
21.4-6(第1四半期) 1,262百万円 148百万円 11.7%
21.1-3(前期 第4四半期) 1,106百万円 131百万円 11.8%
20.10-12(前期 第3四半期) 1,017百万円 92百万円 9.0%
20.7-9(前期 第2四半期) 841百万円 -1百万円 -0.1%
20.4-6(前期 第1四半期) 839百万円 40百万円 4.8%
20.1-3(前々期 第4四半期) 966百万円 52百万円 5.4%

四半期ごとの数字を見ると、売り上げはそこまでではないものの、営業利益は大きく増加していることがわかります。

今期は各四半期とも前年を大きく上回る数字となっています。

 

当社は、「成長への転換」をテーマとした新中期経営計画(2022年3月期から2024年3
月期まで)を掲げ、その初年度がスタートしました。
当社の売上高につきましては、タンタルコンデンサ及び回路保護素子ともに、前年同期に比べて大幅に増加しまし
た。その要因は、タンタルコンデンサにつきましては、補聴器等の海外市場向け、鉄道制御機器向け及びその他民生
品向けの需要の増加によるものであり、回路保護素子につきましては、リチウムイオン電池向けの高電流ヒューズの
需要の増加によるもの
です。
その結果、当第3四半期累計期間の当社の業績は、売上高につきましては、3,587百万円(前年同四半期比33.0%
増加)
となり、損益につきましては、売上高の増加及び原価低減が奏功し、営業利益494百万円(前年同四半期比
275.3%増加)、経常利益466百万円(前年同四半期比308.0%増加)
となりました。
また、特別損失として独占禁止法等関連損失782百万円を計上しました。これは、米国集団民事訴訟における直接
購入者原告団との和解金、台湾当局への課徴金及び集団訴訟等の対応のための弁護士報酬等の発生によるものです。
この結果、四半期純損失353百万円(前年同四半期比446百万円悪化)となりました。
なお、2022年1月に東京証券取引所より、当社の新市場区分の選択結果が「スタンダード市場」となる旨が公表さ
れました。
また、当社は、2022年1月14日付で公表しました「第三者割当による新株式の発行並びに主要株主及び主要株主で
ある筆頭株主の異動に関するお知らせ」のとおり、2022年1月31日に第三者割当増資により釜屋電機株式会社から
499百万円の資金調達を実施しました。

 

 

 

松尾電機のセグメント別の売上利益

松尾電機のセグメントごとの売上利益も見てみましょう。

セグメント 売上高 営業利益 利益率
タンタルコンデンサ事業 2,583百万円(30.8%増) 459百万円(147.6%増) 17.8%
回路保護素子事業 864百万円(50.9%増) 329百万円(79.3%増) 38.1%
その他 139百万円(7.0%減) 14百万円(1.8%減) 10.1%

 

① タンタルコンデンサ事業
タンタルコンデンサ事業につきましては、補聴器等の海外市場向け、鉄道制御機器向け及びその他民生品向けの
需要が増加
しました。この結果、タンタルコンデンサ事業の売上高は、2,583百万円(前年同四半期比30.8%増
加)、セグメント利益は、459百万円(前年同四半期比147.6%増加)となりました。
② 回路保護素子事業
回路保護素子事業につきましては、リチウムイオン電池向けの高電流ヒューズの需要が増加しました。この結
果、回路保護素子事業の売上高は、864百万円(前年同四半期比50.9%増加)、セグメント利益は、329百万円(前
年同四半期比79.3%増加)となりました。
③ その他
その他の売上高は、139百万円(前年同四半期比7.0%減少)、セグメント利益は14百万円(前年同四半期比1.8
%減少)となりました。

セグメント別の業績を見ても「タンタルコンデンサ事業」「回路保護素子事業」ともに大幅な増収増益となっています。

特別損失を除けば非常にkougyousekiな企業といえるのではないでしょうか。

続いて、現在の松尾電機の株価についても見ていきましょう。

 

 

 

 

松尾電機の株価推移

松尾電機(6969)の2022年2月10日時点でのチャートは以下の通り。

【日足チャート】

【週足チャート】


チャートは日足・週足ともに良いとはいえるものではありません。

特にここ数カ月の動きは悪く、出来高も減少している状況。

よほど何かが無い限り上昇は見込めないと言ったところではありますが、今回の好決算が上昇のきっかけとなるでしょうか。

株価が上昇していくのか、また出来高が増えてくるのかはチェックしてみたいところ。

 

【2月10日時点の指標】

  • PER:ー
  • PSR:0.42
  • PEGレシオ:ー(PER ー ÷利益成長率74)

※PSR(株価売上高倍率)  ※PEGレシオ(PERを、一株当たりの利益成長率で割った指標)

 

特別損失があり、一株利益がマイナスとなっているためPERの数値は出ませんが、特別損失前のPERは8.8と割安なもので、利益成長率も高いことから、松尾電機は割安な水準だと言えるのではないでしょうか。

ただ、現在の信用倍率は30を超えており、機関の空売りも2社入っている状態です。

現在のチャートの形を子案が得ても、少し上昇すればか信用買いの買戻しが入ったり、また機関の売り仕掛けなども予想されるため、好決算ではあるものの買いを入れる際は慎重に取引したほうが良いかもしれません。

 

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