パシフィックネット(3021)の通期決算発表が7月15日に行われました。
次回決算が10月12日に近づいてきておりますが、決算発表を前に前回の決算を振り返ってみました。
今後の投資の参考にぜひご覧ください。
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パシフィックネット(3021)の決算まとめ 7月15日通期決算発表
【パシフィックネットの概要】
- 時価総額:97.7億円
- 設立:1988年
- 上場:2006年2月
- 売上高:45.66億円(20・5)/ 52億円(21・5予)
- 営業利益:4.13億円(20・5) / 5.5億円(21・5予)
【特色】IT機器管理サービス提供。引き取り回収やレンタルも展開。自社でデータ消去等の体制整備
【連結事業】ITサブスクリプション48(13)、ITAD46(26)、コミュニケーション・デバイス7(18)、他0(-193) <20・5>
【上振れ】PCレンタルは顧客基盤拡大に加え在宅需要で新規も順調、ヘルプデスクなどITサービスも増加。データ消去は稼働正常化し復調。イヤホンガイドの不透明感や先行投資こなす。会社計画営業益5億円はやや保守的。配当とも上振れ余地。
【強弱材料】イヤホンガイドは海外旅行向け消失の一方、日本旅行業協会がコロナ対策で利用ガイドライン化、大口案件戻る。
では早速前回の決算内容を見てみましょう。
2020年7月15日の通期決算内容
発表された通期の決算短信は上記の通り。
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 利益率 | 1株益 | |
20.5(実績) | 4,566百万円 | 413百万円 | 408百万円 | 9.0% | 57.2円 |
20.5(四季報予想) | 4650百万円 | 420百万円 | 420百万円 | 9.0% | 55.6円 |
21.5(今期) 今回発表 | 5,000百万円 | 500百万円 | 500百万円 | 10.0% | 65.17円 |
21.5(来期 四季報予想) | 5,000百万円 | 480百万円 | 480百万円 | 9.6% | 63.5円 |
20.5期は売上高・営業利益とも四季報予想を下回って着地しました。
今期の予想は四季報予想とほぼ同じとなっています。
直近四半期の売上利益
直近四半期の伸び率は今後の業績が伸びていくかを見るうえで重要な指標です。
パシフィックネットの四半期ごとの売上・利益・利益率の推移は下記の通り。
売上高 | 営業利益 | 利益率 | |
20.3~5(第4四半期) | 1,176百万円(97.1%) | 87百万円(68.0%) | 7.4%(69.8%) |
19.12~2(第3四半期) | 1,195百万円(118.0%) | 120百万円(184.6%) | 10.0%(156.3%) |
19.9~11(第2四半期) | 1,056百万円(104.2%) | 77百万円(98.7%) | 7.3%(94.8%) |
19.6~8(第1四半期) | 1,139百万円(121.2%) | 129百万円(330.8%) | 11.3%(275.6%) |
19.3~5(前期 第4四半期) | 1,211百万円 | 128百万円 | 10.6% |
18.12~2(前期 第3四半期) | 1,013百万円 | 65百万円 | 6.4% |
18.9~11(前期 第2四半期) | 1013百万円 | 78百万円 | 7.7% |
18.6~8(前期 第1四半期) | 940百万円 | 39百万円 | 4.1% |
第3四半期までは順調に増収増益となっていたものの、第4四半期に失速。
減収減益となりました。
中期経営計画「SHIFT 2021」の目的であるフローからストック中心への収益構造改革に向けて、ITサブスクリ
プション事業は事業規模拡大へ向けた戦略投資、ITAD事業は規模よりも収益性重視の案件選別や生産性向上策
を進めました。
第4四半期は、コロナ禍の中においても、ストック収益であるITサブスクリプション事業は引き続き順調に拡
大、増収・増益となりました。
フロー収益であるITAD事業、コミュニケーション・デバイス事業は、第4四半期に最も業績が大きくなる季
節要因がありますが、コロナ禍により大きなマイナスの影響を受けました。しかしながら、ITAD事業は、減収
とはなりましたが、過去からの収益性向上策、固定費削減効果が奏功し、第4四半期も増益を確保いたしました。
コスト面では、短期収益より中期的成長を重視し、第4四半期も積極投資を継続実施するとともに、4月には全
従業員への特別賞与の支給(17百万円)、感染防止対策(6百万円)により原価・販管費が一時的に増加いたしま
した。
この結果、当社グループの第4四半期連結会計期間の業績は減収・減益となりましたが、通期業績では増収・増
益を確保し、連結業績予想も達成いたしました。
(次項⑤にて、コロナ禍による第4四半期業績への影響額の試算を記載いたしましたのでご参照ください。)
パシフィックネットのセグメントごとの売上利益
パシフィックネットのセグメントごとの売上・利益も見ておきましょう。
セグメント | 売上高 | 営業利益 | 利益率 |
ITサブスクリプション事業 | 2,194,749千円(38.3%増) | 277,848千円(36.2%増) | 12.7% |
ITAD事業 | 2,080,564千円(7.2%減) | 531,479千円(25.6%増) | 25.5% |
コミュニケーション・デバイス事業 | 297,966千円(18.2%減) | 52,258千円(1.4%減) | 17.5% |
セグメントにより増減はまちまち。
◆ITサブスクリプション事業(PCサブスクリプション、ITサービス)
ストック収益が大部分を占めるITサブスクリプション事業は、「SHIFT 2021」の最重要施策と位置付け、事
業規模拡大へ向けた積極投資を行っております。
2020年1月のWindows 7サポート終了により、ビジネス向け市場でWindows 10 への入れ替えが進みました。ま
た、働き方改革や人材確保難等の社会・経済情勢、通信・ネットワーク等の技術進化を背景としたテレワーク拡
大の動きや、日進月歩で進化するIT技術、増大するセキュリティ脅威への対応等により、企業の情報システム
部門が担うべき運用管理業務はさらに複雑化・高度化する一方、IT人材不足はますます深刻化しております。
このような市場変化をキャッチアップし、情報システム部門の課題解決や負担の軽減に対応するべく、IT機器
の導入については、PCサブスクリプション(中長期レンタル)、運用・保守等の役務系ITサービス、通信サ
ービス、子会社であるテクノアライアンス社との協業によるクラウドサービスの積極的な提案営業を実施すると
ともに、サブスクリプション型サービスの推進を行い、受注高・売上高ともに拡大いたしました。
また、第4四半期については、コロナ禍拡大の影響から、受注済みであったイベントや研修用途の短期レンタ
ルが軒並みキャンセルとなりましたが、テレワーク需要により、ノートPC、通信SIM、Wi-Fi等のPCサ
ブスクリプション及び数か月~1年のレンタルが急拡大いたしました。テレワーク需要を予想して事前に機器調
達・在庫確保を行いましたが、急増するご依頼に対応しきれないケースも発生いたしました。
コスト面では、第4四半期も引き続き、IT人材の積極採用、社内再配置での増員、生産性向上とセキュリテ
ィ強化に資する設備投資、レンタル資産の在庫拡大等、積極投資を行いました。レンタル開始に先行して取得し
たレンタル資産の減価償却費(原価)はさらに増加いたしましたが、好調なPCサブスクリプション受注とIT
サービスの拡大が寄与し、戦略投資のコストもカバーした結果、将来収益のストック、売上高とも好調に推移し、
セグメント業績は次の通り第4四半期、通期とも増収・増益となりました。
◆ITAD事業(使用済みPC等のデータ消去・適正処理サービス)
まず、使用済みIT機器の引取回収・データ消去は、Windows 10 への入れ替え拡大に伴う排出増、収益性重視
での案件受注、当社の高いセキュリティレベルに対する顧客評価、継続した生産性向上策等に加え、2019年12月
のハードディスク転売事件を契機としたデータ消去依頼の急増により、コロナ禍による第4四半期の回収台数の
減少を吸収し、売上高・利益とも増加いたしました。
リユース・リサイクル販売は、2019年5月末のEC事業譲渡(撤退)、第4四半期の回収台数の減少による販
売商材の減少により、売上高は前期比で減少いたしましたが、テクニカルセンターの生産性及び在庫回転率の向
上などの諸施策の効果により、利益率は向上いたしました。また、当社販売先の定期監査・選別を強化し、バー
ゼル条約や世界的な環境問題に対応した適正処理をさらに推進しました。
この結果、ITAD事業トータルでのセグメント業績は次の通り、第4四半期・通期とも、減収・増益となり
ました。◆コミュニケーション・デバイス事業(イヤホンガイド®の製造販売、レンタル、保守メンテナンス)
第3四半期までは、前期比大幅な増収増益で好調に推移していましたが、コロナ禍による観光需要の減少によ
り、最も収益が拡大する予定であった第4四半期において売上高が大幅に減少いたしました。
この結果、次の通り、第4四半期は大幅な減収・営業損失となり、通期でも減収・減益となりました。注)前期の第4四半期会計期間のセグメント利益は29百万円、当第4四半期の前期比増減は△51百万円。
なお、5月14日に日本旅行業協会が発表した「旅行業における新型コロナウイルスガイドライン(第1版)」
で、団体旅行での三密を避ける施策として「ガイドレシーバーを利用したガイディングを行うこと」との推奨が
されました。
イヤホンガイド®の観光利用は、海外ツアーが大部分を占めていましたが、国内旅行でもガイドレシーバーを利
用するツアーが増加するものと想定され、ガイドレシーバーのシェア90%を有する当社グループのイヤホンガイ
ド®の需要は拡大するものと想定しております。ガイドライン公表後、旅行代理店や観光名所からの見積もり依頼
やお問い合せをいただいており、本日(7月15日)現在、大型案件もすでに受注しております。
パシフィックネットの中期経営計画「SHIFT2021」進捗
パシフィックネットの株価推移
パシフィックネット(3021)の2020年9月30日時点での日足チャートは以下の通り。
コロナショック時に一時800円を下回る場面もありましたが現在は2,000円を超える株価で推移しています。
前回決算では大きく株価を下げましたが半月から1か月ぐらいで元の値段に戻り、さらに上昇となっています。
【9月30日時点の指標】
- PER:30.97
- PSR:2.44
- PEGレシオ:1.21(PER30.97÷利益成長率25.7)
※PSR(株価売上高倍率) ※PEGレシオ(PERを、一株当たりの利益成長率で割った指標)
PERを見ると割安とは言えないものの、利益成長率を考えるとまだ割安な範囲といえるでしょうか。
直近四半期の成績が良くないのは気になりますが、コロナ禍でも成長を伸ばしている事業もありますのでさらに伸びることが考えられます。
ただパシフィックネットはコロナの影響を受けるものと伸びるものが混在していますので、業績がどう推移していくか慎重に見ていくことが必要ではないでしょうか。
決算発表での決算短信には今後の株価上昇のヒントが詰まっています。
ファンダメンタルで投資する際には決算短信の読み方を詳しく知っているかどうかは非常に重要となってきます。
私自身、ファイナンシャルアカデミーで株式投資の基礎を学びました。
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