このところ株式市場の注目を集めているテーマである「水素ステーション関連銘柄」。
既存のガソリン車やディーゼル車から電気自動車(EV)などのエコカーへのシフトが進む中、注目されている自動車のひとつが燃料電池車(FCV)。
燃料電池車(FCV)は、リチウムイオン電池を動力とするEVと違い、電気化学反応によって燃料の化学エネルギーから電力を取り出して動力とします。
その燃料電池車(FCV)の普及に必要不可欠なのが、燃料となる水素を補給するための「水素ステーション」。
2014年末にトヨタ自動車が燃料電池車「MIRAI」を発表し、水素ステーションの普及が期待されています。
経済産業省では25年度までに320か所に増やす目標の実現に向け、今後さらなる需要の拡大が期待されるテーマ。
今回は、これから株式市場で長く注目を集めていくであろう「水素ステーション関連」銘柄についてみていきましょう。
注目されているテーマ『水素ステーション関連銘柄』の中で、本命の銘柄や出遅れ、好業績や割安、またチャート的に良い銘柄など、購入に値する銘柄があるのかについてみていきましょう。
⇒プロによる、旬の厳選10銘柄!株歴40年超のプロが今、買うべきと考える銘柄はこちら
【注目テーマ株2021】水素ステーション関連の本命や出遅れ銘柄は? 好業績・割安・チャート◎銘柄をチェック
水素ステーション関連銘柄一覧
コード | 銘柄名 | 関連度 | 業績 | PER | 利益成長率 | PEG | チャート |
8088 | 岩谷産業 | 5 | ✖ 減収・減益 | 18.2 | ー | ー |
◎ 急上昇
|
4091 | 日本酸素HD | 4.5 | ✖ 減収・減益 | 18.2 | ー | ー |
△〇 横ばいから上昇か
|
6331 | 三菱化工機 | 4.5 | ◎ 増収・増益 | 9.7 | ー | ー |
△◎ 横ばいから急上昇
|
5659 | 日本精線 | 4 | △ 減収・増益 | 12.8 | 21.15 | 0.61 |
✖〇 下降から反転上昇
|
7727 | オーバル | 4 | ✖ 減収・減益 | 81.4 | ー | ー | ✖◎ 下降から急上昇 |
5019 | 出光興産 | 4 | △ 減収・増益 | ー | ー | ー |
✖ 下降トレンド
|
5020 | ENEOS | 4 | △ 減収・増益 | 13.5 | 12.5 | 1.08 |
✖ 下降トレンド
|
6366 | 千代田化工建設 | 4 | ✖ 減収・減益 | 9 | ー | ー |
△ 横ばい
|
6391 | 加地テック | 4 | △ 減収・増益 | 23.4 | 2.6 | 9 |
△◎ 横ばいから急上昇
|
6824 | 新コスモス電機 | 4 | 〇 増収・増益 | 10.8 | 5.25 | 2.06 |
△◎ 横ばいから急上昇
|
7012 | 川崎重工業 | 4 | ✖ 減収・赤字化 | ー | ー | ー |
✖〇 下降から反転上昇
|
7721 | 東京計器 | 4 | ✖ 減収・減益 | 24 | ー | ー |
✖△ 下降から反転か
|
8015 | 豊田通商 | 4 | ✖ 減収・減益 | 14.3 | ー | ー |
✖〇 下降から反転上昇
|
5101 | 横浜ゴム | 3 | ✖ 減収・減益 | 12.6 | ー | ー |
✖ 下降トレンド
|
6495 | 宮入バルブ製作所 | 3 | 〇 増収・増益 | 162 | 60.5 | 2.68 |
△◎ 横ばいから急上昇
|
9533 | 東邦ガス | 2 | ✖ 減収・減益 | 82.4 | ー | ー |
〇 上昇トレンド
|
3382 | セブン&アイ | 1 | ✖ 減収・減益 | 22.3 | 4.8 | 4.6 |
✖△ 下降から反転か
|
4045 | 東亞合成 | 1 | ✖ 減収・減益 | 18.8 | ー | ー |
△〇 横ばいから上昇
|
5021 | コスモHD | 1 | △ 減収・増益 | 17.9 | 85.75 | 0.21 |
△ 横ばい
|
5108 | ブリヂストン | 1 | ✖ 減収・減益 | ー | ー | ー |
✖△ 下降からは反転か
|
5401 | 日本製鉄 | 1 | △ 減収・赤字縮小 | ー | ー | ー |
✖△ 下降から反転か
|
5406 | 神戸製鋼所 | 1 | ✖ 減収・赤字化 | ー | ー | ー |
✖〇 下降から反転上昇
|
5563 | 新日本電工 | 1 | △ 減収・増益 | 22.3 | 52.9 | 0.42 |
✖〇 下降から反転上昇
|
5631 | 日本製鋼所 | 1 | ✖ 減収・減益 | 30.8 | ー | ー |
✖〇 下降から反転上昇
|
5974 | 中国工業 | 1 | 〇増収・増益 | 12.7 | 50 | 0.25 |
△◎ 横ばいから急上昇
|
6355 | 住友精密工業 | 1 | ✖ 減収・赤字化 | ー | ー | ー |
✖ 下降トレンド
|
6370 | 栗田工業 | 1 | ◎ 増収・増益 | 21.9 | 9.65 | 2.27 |
△〇 横ばいから上昇
|
6497 | ハマイ | 1 | 〇 増収・増益 | 29.5 | 20.6 | 1.43 |
△◎ 横ばいから急上昇
|
6498 | キッツ | 1 | ✖ 減収・減益 | ー | ー | ー |
✖ 下降トレンド
|
7246 | プレス工業 | 1 | ✖ 減収・減益 | ー | 8.3 | ー |
✖△ 下降から反転か
|
8132 | シナネンHD | 1 | ✖ 減収・減益 | 10.8 | 0.95 | 11.37 |
〇 上昇トレンド
|
8133 | 伊藤忠エネクス | 1 | ✖ 減収・減益 | 8.4 | ー | ー |
✖〇 下降から反転上昇
|
9264 | ポエック | 1 | ◎ 増収・増益 | 39 | 26.85 | 1.45 |
△ 横ばい
|
9531 | 東京ガス | 1 | ✖ 減収・減益 | 19.9 | ー | ー |
✖ 下降トレンド
|
9532 | 大阪ガス | 1 | 〇 横ばい・増益 | 12.5 | 7.65 | 1.63 |
△ 横ばい
|
9536 | 西部ガス | 1 | ✖ 減収・減益 | 81.1 | ー | ー |
△〇 横ばいから上昇
|
9797 | 大日本コンサルタント | 1 | △ 横ばい・減益 | 8.8 | ー | ー |
△〇 横ばいから緩やか上昇
|
9888 | UEX | 1 | ✖ 減収・減益 | 11.8 | ー | ー |
✖〇 下降から反転上昇
|
対象となる主な全固体電池関連銘柄は37。
現時点で好業績の企業は2割程度と少なくなっていますが、水素関連や電気自動車関連と共にこのところ大きな注目を集めているテーマということもあり、急上昇している銘柄や、このところ下降トレンドから反転上昇してきている銘柄もあります。
銘柄を見極めたうえで投資することをお勧めします。
水素ステーション関連の本命銘柄
水素ステーション関連の本命は、
- 8088 岩谷産業
- 4091 日本酸素ホールディングス(旧:大陽日酸)
- 6331 三菱化工機
- 5659 日本精線
- 7727 オーバル
- 5019 出光興産
- 6366 千代田化工建設
- 6391 加地テック
- 6824 新コスモス電機
- 7012 川崎重工業
- 7721 東京計器
- 8015 豊田通商
が挙げられます。
水素関連・水素ステーション関連の本命としてこのところ株価を大きく上げているのが岩谷産業。
国内外で水素ステーションを展開しているほか、液化水素を製造するノウハウを持っている会社で、水素関連の大本命といえるでしょう。
日本酸素ホールディングスは旧大陽日酸で、パッケージ型水素ステーションである「ハイドロ シャトル」を扱っています。
三菱化工機は、小型オンサイト水素製造装置「HyGeia(ハイジア)シリーズ」を扱っている会社。
日本精線は水素ステーション用部材である耐水素脆性ばね用ステンレス鋼線「ハイブレム(HYBREM)」を扱い、水素社会の到来とともに注目度が高まりつつあります。
オーバルは水素の充填圧力を測定する超高圧の流量計などを手掛けています。
出光興産はFCV普及に向けた水素供給インフラに関する技術開発や実証を進めてきており、2004年に神奈川県秦野市に世界初となる灯油改質型のオンサイト方式水素ステーションを開設。
2006年には千葉県市原市に日本初のSS併設型水素ステーションを建設。2016年より国の支援を受け、商用水素ステーションを運営しています。
千代田化工建設は、商用使用できる脱水素触媒の開発に成功。有機ケミカルハイドライド法を採用し、水素を安全に貯蔵・輸送を行うことが可能にしました。
加地テックは、水素ステーション用新型水素圧縮機を製造。
新コスモス電機は、水素ステーション用ガス検知警報器を扱い、水素ステーションのガス漏れ監視を行う。
川崎重工業は水素の輸送や貯蔵を展開。
東京計器は、費用負担が比較的少なく、投資効率の高い移動式水素ステーション向けに水素圧縮装置を展開。
豊田通商は、グループのエネ・ビジョンが再生可能エネルギー100%由来と認められる電気「RE100電気」の供給を行っています。
好業績・割安の銘柄
続いては好業績で割安の銘柄。
水素ステーション関連銘柄のうち、業績が良いのは8銘柄。
そのうち、好業績で割安な銘柄は、
- 5974 中国工業 (水素ステーション用複合容器蓄圧器の研究開発)
- 6497 ハマイ (ドイツWEH社製水素充填ノズルやレセプタクル等の水素ステーション向け製品を日本規格に適合するようモディファイ)
- 9264 ポエック (水素ステーション向けに圧力水槽方式加圧送水装置の販路を開拓)
となります。
いずれも利益成長率が高い低PERで、PEGレシオが1.5倍以下の銘柄、まだまだ株価水準は割安だと言えるでしょう。
水素ステーション関連テーマの中では、買いやすい銘柄で、今後の大化けも期待できます。
チャート的に狙い目の銘柄
電気自動車(EV)関連銘柄はすでに注目されており、急上昇した銘柄が多いために高値掴みをすることには注意が必要ですが、まだまだ先の長い注目テーマで、さらなる上昇が見込めます。
チャートの形状ごとに、注目の銘柄を見ていきましょう。
まずは注目を集めて大きく上昇している銘柄。
【◎ 急上昇銘柄】
- 8088 岩谷産業
- 6331 三菱化工機
- 7727 オーバル
- 6391 加地テック
- 6824 新コスモス電機
- 6495 宮入バルブ製作所
- 5974 中国工業
- 6497 ハマイ
まだまだ上昇の可能性はありますが、株価水準は高目ではあります。
買いを入れる際は、高値掴みに注意しながら投資することをお勧めします。
続いてはきれいな上昇トレンドを形成している銘柄。
【〇 上昇トレンド】
- 9533 東邦ガス
- 8132 シナネンHD
それぞれきれいな上昇トレンドを形成しており、投資しやすい銘柄といえるでしょう。
【〇 上昇の兆し・反転上昇】※出遅れ銘柄
次にご紹介するのは上昇を始めた銘柄や反転上昇し始めたと思われる銘柄群です。
高値掴みしたくない方にはこちらのチャートがおすすめの、出遅れ注目銘柄です。
こちらの中で、出来高を伴って上昇するなどのサインがあれば今後大きく上昇することになるものも多いのでチェックしてみてください。
- 5659 日本精線
- 7012 川崎重工業
- 8015 豊田通商
- 4045 東亞合成
- 5406 神戸製鋼所
- 5563 新日本電工
- 5631 日本製鋼所
- 6370 栗田工業
- 8133 伊藤忠エネクス
- 9536 西部ガス
- 9797 大日本コンサルタント
- 9898 UEX
狙い目としてはこのあたりかもしれません。
上昇の兆しが見える出遅れ銘柄で、これから大化けする可能性を秘めている銘柄といえるでしょう。
いずれにしても水素ステーション関連の銘柄は注目度の高いテーマで、2021年も引き続き大きく上昇する銘柄も多く出てくるかもしれません。
⇒プロによる、旬の厳選10銘柄!株歴40年超のプロが今、買うべきと考える銘柄はこちら