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【好決算の注目銘柄】6266 タツモ 決算はまずまずも中計は大きな上昇を予定

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半導体装置を扱うタツモ(6266)は2月14日に第3四半期の決算発表が行われた割安好業績銘柄のひとつ。

今回の決算発表では好感されており、この地合いの悪い中でも株価を伸ばしている銘柄です。

今回はタツモの決算発表の内容についてみていきましょう。

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【好決算の注目銘柄】6266 タツモ 決算はまずまずも中計は大きな上昇を予定

【タツモの概要】

  • 時価総額:236億円
  • 設立:1972年
  • 上場:2004年7月
  • 売上高:195.16億円(20.12)/ 230億円(21.12予)
  • 営業利益:18.86億円(20.12) / 22億円(21.12予)

半導体装置が主軸。液晶用塗布装置で高シェア。M&Aで洗浄装置、プリント版装置なども追加しており、20年12月期に最高益を出しており、今後も成長が見込まれる企業です。

 

まずは今回発表された決算発表の内容を見てみましょう。

 

2022年2月14日の通期決算発表の内容

2021年12月期の連結業績(2021年1月1日~2021年12月31日)

売上高 営業利益 経常利益 利益率 1株益
21.12 (実績) 今回発表 22,001百万円 2,092百万円 2,218百万円 9.5% 132.21円
21.12 (四季報予想) 23,000百万円 2,200百万円 2,260百万円 9.6% 119.4円
22.12 (会社予想) 今回発表 25,338百万円 2,555百万円 2,503百万円 10.1% 130.84円
22.12 (四季報予想) 25,000百万円 2,500百万円 2,560百万円 10.0% 136.0円

通期の決算発表では21年12月期は予想を下回る数字となっており、22年12月期も伸びているとはいえ、そこまでインパクトのある数字とは言えない決算ではないでしょうか。

決算発表の数字だけを見るとそこまでよいとは言えませんがその他、詳細についてみていきましょう。

 

 

直近四半期の売上利益

直近の業績の伸びがどうだったのか、直近四半期を元に四半期ごとの業績も見ておきましょう。

タツモの四半期ごとの売上・利益・利益率の推移は下記の通り。

売上高 営業利益 利益率
21.10-12(第4四半期) 8,125百万円(178.0%) 1,254百万円(518.2%) 15.4%
21.7-9(第3四半期) 4,134百万円 92百万円 2.2%
21.4-6(第2四半期) 5,178百万円 390百万円 7.5%
21.1-3(第1四半期) 4,564百万円 356百万円 7.8%
20.10-12(前期 第4四半期) 5,252百万円 242百万円 4.6%
20.7-9(前期 第3四半期) 4,996百万円 413百万円 8.3%
20.4-6(前期 第2四半期) 4,534百万円 400百万円 8.8%
20.1-3(前期 第1四半期) 4,734百万円 831百万円 17.6%

四半期ごとの数字を見ると直近の数字が飛び抜けてよいものとなっており、QoQ・YoYともに大きく伸びているのがわかります。

 

当社グループが属する半導体製造装置業界におきましては、サーバーや5G(次世代移動通信)、リモートワー
ク向けなどIT投資用途の半導体の需要の拡大による設備投資は堅調に推移
いたしました。
このような状況のなか当社グループは、中長期的な成長に向けて、顧客ニーズに対応した装置の開発や生産活動
に注力してまいりました。

 

 

 

タツモのセグメント別の売上利益

タツモのセグメントごとの売上利益も見てみましょう。

セグメント 売上高 営業利益 利益率
プロセス機器事業 17,528百万円(19.4%増) 1,992百万円(14.8%増) 11.4%
金型・樹脂成型事業 1,572百万円(16.3%増) 87百万円(119.9%増) 5.5%
表面処理用機器事業 2,900百万円(16.9%減) 13百万円(86.7%減) 4.5%

プロセス機器事業、金型・樹脂成型事業は増収増益、表面処理用機器事業は減収減益となっています。

(プロセス機器事業)
半導体装置部門につきましては、コロナ禍でリモートワーク向けなどのIT投資関連の需要が伸びたことによる
設備投資が堅調
であったため、売上高は46億3百万円(前年同期比13.8%増)となりました。
搬送装置部門につきましては、顧客である半導体装置メーカーからの受注が好調であり、売上高は55億26百万円
(前年同期比3.9%増)となりました。
洗浄装置部門につきましては、ウェーハメーカーの設備投資が堅調であり、売上高は37億30百万円(前年同期比
35.2%増)となりました。
コーター部門につきましては、コロナ禍で海外出張制限がある中、海外メンバー中心に装置納入の立ち上げ対応
をしたことにより、売上高は36億66百万円(前年同期比43.9%増)となりました。
以上の結果、プロセス機器事業の売上高は175億28百万円(前年同期比19.4%増)、営業利益19億92百万円(前
年同期比14.8%増)となりました。

(金型・樹脂成形事業)
金型・樹脂成形事業につきましては、電子部品業界の業績が回復したことに加えコスト削減効果があり、売上高
は15億72百万円(前年同期比16.3%増)、営業利益87百万円(前年同期比119.9%増)となりました。

(表面処理用機器事業)
表面処理用機器事業につきましては、新型コロナウイルスの影響でプリント基板メーカーの設備投資が遅延し、
製造拠点の中国工場の稼働率が前半に大幅に低下
したことから、売上高は29億円(前年同期比16.9%減)、営業利
益13百万円(前年同期比86.7%減)となりました。受注においては、プリント基板メーカーの設備投資は回復傾向
にあり、後半にかけて大幅に増加いたしました。

22年12月期は四季報予想を超える増収増益を見込んでいますが、会社による今後の見通しについても見ておきましょう。

 

タツモの今後の見通し

今後の見通しにつきましては、コロナ禍で、リモートワーク等のIT関連の設備投資が増加することが見込ま
れ、また、それに伴い5G(次世代移動通信システム)、大容量サーバやAIなどに関連した半導体の需要が拡大
し、今後、半導体メーカーの積極的な設備投資が継続されると予想
しています。
このような状況の中、当社グループの成長目標として、2021年2月12日に発表いたしました「タツモグループ中
期経営計画(TAZMO Vision 2023)」に基づき事業を展開してまいりました。その計画第1期である2021年12月期
においては、売上高・利益ともに計画を上回る結果を達成することができました。
当社グループといたしましては、2021年12月期の結果と半導体製造装置業界の業績状況を踏まえ、現行の中期経
営計画を見直し、新たに「タツモグループ中期経営計画(TAZMO Vision 2024)」を策定し、継続的な売上拡大、
利益拡大に努めてまいります。
2022年12月期の売上高は2021年12月期に比べ33億36百万円増収の253億38百万円を見込んでおります。利益につ
きましては、営業利益25億55百万円、経常利益25億3百万円、親会社株主に帰属する当期純利益17億31百万円をそ
れぞれ見込んでおります。
セグメント別の見通しとしましては、プロセス機器事業が売上高198億57百万円、営業利益23億17百万円。金
型・樹脂成形事業が売上高17億1百万円、営業利益57百万円。表面処理用機器事業が売上高37億79百万円、営業利
益1億80百万円を見込んでおります。

ここまでの内容を見て、悪くはないもののそこまでよい決算とは言えないかもしれません。

ただ、決算発表と合わせて発表された「中期経営計画の見直し」は魅力的な内容でしたのでこちらも見てみましょう。

 

タツモの中期経営計画の見直しについて

タツモは、2021 年2月 12 日に公表いたしました 2023 年 12 月期を最終年度とする中期経営計画の見直しを行いました。

新たに 2022 年 12 月期から 2024 年 12 月期までの3ヶ年を対象とする中期経営計画を策定しており、こちらの内容は魅力的な内容となっています。

数値目標を見てみましょう。

売上・経常利益ともに大きく伸びる計画を立てており、特に経常利益は2年で85.4%の増加となっています。

内訳を見ると、「半導体装置 貼合/剥離装置」「洗浄機 洗浄装置・リン酸/スラリー装置」「コーター NIL装置」が大きく伸びるとなっています。

こちらの内容は今後投資を判断するうえで、魅力的な内容ではないでしょうか。

 

では続いて、タツモの株価についても見ていきましょう。

 

 

 

 

タツモの株価推移

タツモ(6266)の2022年2月18日時点でのチャートは以下の通り。

【日足チャート】

【週足チャート】


21年12月から地合いとともに下落していた株価ですが、今回の決算発表でその下落を取り戻すあたりまで株価を伸ばしてきました。

今回の中期経営計画の見直しをきっかけにさらなる上昇はあるでしょうか。

 

【2月18日時点の指標】

  • PER:12.05
  • PSR:0.92
  • PEGレシオ:0.68(PER 12.05 ÷利益成長率17.75)

※PSR(株価売上高倍率)  ※PEGレシオ(PERを、一株当たりの利益成長率で割った指標)

 

PERが15倍以下でPSR・PEGレシオも1倍を下回っており、まだまだ割安な水準だと言えるのではないでしょうか。

現状、機関の空売りが入っており、日々増減をしておりますが、この期間の空売りの動きも株価の上下に大きくかかわってくると思いますが、中長期でみると大きな上昇の可能性は充分にあるのではないでしょうか。

 

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