トライステージ(2178)の第2四半期決算発表が本日10月12日に行われました。
順調に業績を伸ばしているトライステージの決算についてまとめてみましたので是非ご覧ください。
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トライステージ(2178)の決算まとめ 10月12日第2四半期決算発表
【トライステージの概要】
- 時価総額:122億円
- 設立:2006年
- 上場:2008年8月
- 売上高:50,440億円(20・2)/ 628億円(21・2予)
- 営業利益:52,600億円(20・2) / 1,140億円(21・2予)
【特色】テレビ通販企業に媒体選択や販促企画、コールセンターあっせんなどソリューション業務提供
【連結事業】ダイレクトマーケティング支援56(3)、DM38(1)、海外3(-6)、通販0(-49)、他3(-6) <20・2>
【回 復】懸念した出稿控え想定以下。テレビ通販支援メディア枠仕入れ適正化で高粗利率維持。DMも貸倒引当金の圧迫消滅。通販支援新サービス開発費増を前期の赤字事業整理の貢献で吸収。海外持分のれん一時償却や関係会社整理特損消滅。純益復調。
【本 腰】営業出身社長へ交代、新サービスによる顧客獲得に全力。リピート購入促す新サービス第2段階は今期末完成期す。
では早速今回の決算内容を見てみましょう。
2020年10月12日の第2四半期決算内容
発表された決算短信は上記の通り。
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 利益率 | 1株益 | |
20.3~8(実績) | 24,192百万円 | 858百万円 | 880百万円 | 3.5% | 16.52円 |
20.3~8(四季報予想) | 24,100百万円 | 260百万円 | 250百万円 | 1.1% | -0.8円 |
21.2(通期予想) | 52,600百万円 | 1,140百万円 | 1,120百万円 | 2.2% | 21.9円 |
第2四半期の四季報予想に対する達成率は、売上高が100.4% 営業利益が330%となっており、
通期の進捗率は、売上高が46.0% 営業利益が75.3%となっています。
利益がかなり上振れており、決算発表に合わせて業績の修正も行われました。
通期業績予想の修正
9月25日の修正は非常に大幅なものでした。
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 利益率 | 1株益 | |
21.2(今回発表) | 49,549百万円 | 1,255百万円 | 1,245百万円 | 2.5% | 25.57円 |
21.2(四季報予想) | 52,600百万円 | 1,140百万円 | 1,120百万円 | 2.2% | 21.9円 |
今回発表された修正を見ると、売り上げは下方修正されましたが、営業利益は10%ほど上方修正されています。
今回発表された第2四半期決算の進捗率を見てみると、
売上高が48.8%、営業利益が68.4%となります。
営業利益の進捗率が高く、今後さらに上方修正される余地もあるでしょう。
【修正の理由】
<第2四半期累計期間>
連結業績は、売上高は主に新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、WEB事業、DM事業及び小売
事業が想定を下回った一方で、テレビ事業(個別業績)が想定を上回ったため、概ね計画どおりとな
りました。
営業利益及び経常利益は、主にテレビ事業が好調であったこと及び各事業において事業活動が制限
されたことによるコスト抑制等により、計画を大幅に上回りました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、「1.特別損失の内容」のとおり、新型コロナウイルス感
染症の拡大に伴う事業環境の著しい変化等を踏まえ、株式会社アドフレックス・コミュニケーション
ズの減損損失171,589千円及び株式会社日本百貨店の減損損失47,150千円を特別損失へ計上しました
が、上記のとおり経常利益が想定を上回ったこと及び持分法適用関連会社TV Direct Public Company
Limitedの持分法適用除外に際する損失が想定を下回ったことにより、黒字化いたしました。
個別業績は、在宅率の向上や健康意識の高まりによってテレビ通販のレスポンスが良化し、クライ
アントのメディア出稿意欲が想定を上回ったことから、売上高、営業利益及び経常利益は計画を大幅
に上回りました。しかしながら、「1.特別損失の内容」のとおり、株式会社アドフレックス・コミ
ュニケーションズ及び株式会社日本百貨店に係る関係会社株式評価損を特別損失に計上したことによ
り、四半期純損失となりました。
これらの結果、第2四半期累計期間の業績予想と実績値に差異が生じております。<通期>
連結業績は、売上高は第2四半期累計期間において WEB 事業の新規商談が遅延したことが下期に与
える影響や、DM 事業における DM 発送通数の減少が一定程度継続すること等による減少を見込んでお
ります。
利益面では、第2四半期累計期間にて業績予想を大幅に上回ったこと及びコスト削減等により、下
期の売上高減少を加味しても計画を上回る見込みです。
なお、WEB 事業においてはテレビ事業とのシナジー強化及び在宅ワークが恒常化することを見据え
オフィス移転を想定しております。
個別業績は、テレビ事業での出稿需要増加の一服を見込み、下期の売上高見通しを引き下げます
が、第2四半期累計期間にて上記のとおり計画を大幅に上回ったこと及び下期も引き続き高い売上総
利益率が継続することを想定し、通期の売上高、営業利益及び経常利益は計画を上回る見込みです。
当期純利益では、上記の特別損失の影響により計画を下回る見込みです。新型コロナウイルス感染症の拡大が業績見通しに与える影響ついては依然として不透明な状態が続
いており、下期業績には不確定要素を含んでいるものの、上記を踏まえて一定の前提に基づき業績見
通しを見直した結果、通期の業績予想を修正いたします。
注.上記の予想数値は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基
づいており、実際の業績等は様々な要因により異なる可能性があります。
直近四半期の売上利益
直近四半期の伸び率は今後の業績が伸びていくかを見るうえで重要な指標です。
トライステージの四半期ごとの売上・利益・利益率の推移は下記の通り。
売上高 | 営業利益 | 利益率 | |
20.6~8(第2四半期) | 12,563百万円(97.2%) | 498百万円(187.9%) | 4.0%(190.5%) |
20.3~5(第1四半期) | 11,629百万円(87.6%) | 360百万円(ー) | 3.1%(ー) |
19.12~2(前期 第4四半期) | 11,766百万円(89.6%) | 272百万円(173.2%) | 2.3%(191.7%) |
19.9~11(前期 第3四半期) | 12,481百万円(94.7%) | 246百万円(93.5%) | 2.0%(100%) |
19.6~8(前期 第2四半期) | 12,924百万円 | 265百万円 | 2.1% |
19.3~5(前期 第1四半期) | 13,269百万円 | -155百万円 | -1.2% |
18.12~2(前々期 第4四半期) | 13,131百万円 | 157百万円 | 1.2% |
18.9~11(前々期 第3四半期) | 13,174百万円 | 263百万円 | 2.0% |
当社グループは、「ダイレクトマーケティングのイノベーションカンパニー」を標榜し、ダイレクトマーケティ
ングを実施する企業を総合的に支援しております。
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により経済活動が停滞し、
景気は大きく後退しました。感染拡大の防止策を講じつつ経済活動再開の動きが見られるものの、先行きは依然と
して不透明な状況が続いております。ダイレクトマーケティング市場は、通信販売の定着及びインターネット通販
の拡大とともに、拡大基調が続いております。新しい生活様式の定着が進む中で、人と人との接触機会を減らしつ
つ商品を購入できる利便性の高いサービスとしてダイレクトマーケティングの重要性はますます高まっており、ダ
イレクトマーケティング企業を支援する当社の社会的役割も増しております。
当社グループでは、各社にて在宅ワークをはじめとして新型コロナウイルス感染症の拡大防止へ対処しつつ、事
業を推進いたしました。前連結会計年度にて実施した事業の選択と集中により、テレビ事業、WEB事業、DM事業へ
の経営資源の配分が進み、また、2019年12月に開始したデータマーケティング基盤「Tri-DDM」により、ダイレク
トマーケティングにおける新規顧客獲得とLTV向上を両軸で支援するための基盤が整い、さらに追加の開発も行っ
ております。こうした体制のもと、各事業において着実に当期の戦略を推進してまいりました。
なお、当第2四半期連結会計期間において、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う事業環境の著しい変化を踏
まえ、連結子会社である株式会社アドフレックス・コミュニケーションズにおける事業計画に対する進捗状況や今
後の業績見通しを検討した結果、同社株式取得時に計上したのれん未償却残高305,351千円のうち、171,589千円を
減損損失として特別損失に計上いたしました。また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う業績悪化を背景とし
て、連結子会社である株式会社日本百貨店にて固定資産の減損損失47,150千円を特別損失に計上いたしました。
この結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間における売上高は24,192,781千円(前年同期比7.6%
減)、売上総利益は2,757,064千円(前年同期比15.8%減)となりました。販売費及び一般管理費は1,898,593千円
(前年同期比40.0%減)となり、営業利益は858,471千円(前年同期比679.3%増)、経常利益は880,264千円(前
年同期は53,803千円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は425,875千円(前年同期は5,373千円の利益)
となりました。
トライステージのセグメントごとの売上利益
トライステージのセグメントごとの売上利益も見てみましょう。
セグメント | 売上高 | 営業利益 | 利益率 |
ダイレクトマーケティング支援事業 | 14,231,930千円(5.7%減) | 671,448千円(77.9%増) | 4.7% |
DM事業 | 9,065,707千円(4.7%減) | 241,754千円(前年同期65,922千円の 損失) |
2.7% |
海外事業 | 458,692千円(30.8%減) | 29,526千円(前年同期143,600千円の損 失) |
6.4% |
小売事業 | 436,451千円(43.6%減) | -85,585千円(前年同期17,106千円の損 失) |
ー |
① ダイレクトマーケティング支援事業
テレビ事業は、ダイレクトマーケティング事業者に対し、テレビ番組枠・CMの提供から番組・CM制作、受注管
理、顧客管理までダイレクトマーケティングに必要なソリューションを総合的に提供しており、「データ分析に基
づく最適な媒体提供」、「売れる映像制作」、「効率的な受注管理」による新規顧客獲得支援を強みとしておりま
す。また、データマーケティング基盤「Tri-DDM」により、放送枠や受注等の各種データを統合し、BIツールで即
時に精緻な分析を行うことで、放送枠価値の明確化やコンタクトセンターの適切な運用状況の把握等を実現してお
ります。当第2四半期連結累計期間においては、新型コロナウイルス感染症の拡大により、一部クライアントにて
一時的な出稿控えがあったものの、消費者の在宅率向上や健康意識の高まりによって、健康食品や医薬品等のテレ
ビ通販におけるレスポンスが好調に推移いたしました。
WEB事業は、株式会社アドフレックス・コミュニケーションズを中心として、テレビとWEBの相互提案とAIツール
の積極導入を実施し、クライアントの売上及び利益の最大化に取り組んでおります。リスティング広告最適化AIツ
ールについては、導入企業数が堅調に増加しておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う各種展示会の
延期やリモートワークの影響等により商談の機会が減少いたしました。同社ではリスティング広告最適化以外でも
有力なAIツールの導入を進めており、引き続き、新規クライアントの獲得及び既存クライアントとの取引拡大に取
り組んでまいります。
この結果、売上高は14,231,930千円(前年同期比5.7%減)、営業利益は671,448千円(前年同期比77.9%増)と
なりました。
② DM事業
DM事業は、メールカスタマーセンター株式会社を中心として、「ゆうメール」や「クロネコDM便」等のダイレク
トメール発送代行業務に取り組んでおります。当第2四半期連結累計期間においては、「ネコポス」や「ゆうパケ
ット」等の小型宅配便(商品DM)への対応については堅調に推移しているものの、一部の業界にてDM発送の差し控
えが生じた関係で、前年に対し売上が減少いたしました。
この結果、売上高は9,065,707千円(前年同期比4.7%減)、営業利益は241,754千円(前年同期は65,922千円の
損失)となりました。
③ 海外事業
海外事業は、PT. Merdis Internationalを中心として、ASEANでのテレビ通販及び卸売に取り組んでおります。
前連結会計年度においてJML Singapore Pte. Ltd.から撤退したことにより事業規模は縮小いたしましたが、損失
が大幅に減少いたしました。PT. Merdis Internationalでは、新型コロナウイルス感染症の拡大により、一部商品
供給に影響はあったものの、消費者の在宅率向上によりテレビショッピングチャンネル向けの商品卸が堅調に推移
いたしました。
この結果、売上高は458,692千円(前年同期比30.8%減)、営業利益は29,526千円(前年同期は143,600千円の損
失)となりました。
④ 小売事業
小売事業は、株式会社日本百貨店の営む「日本百貨店」において、各店舗の収益拡大及び卸売事業の強化に取り
組んでおります。当第2四半期連結累計期間においては、期初より新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい
状況を想定しておりましたが、4月の緊急事態宣言を受け、全店舗にて休館や短縮営業を余儀なくされました。6
月以降も短縮営業が続いておりますが概ね通常営業に移行しております。こうした中で、経営基盤の整備や不採算
店舗からの撤退、新商品開発等、収益性改善に向けた取り組みは着実に進捗いたしました。また、コスト抑制や各
種助成金の活用を図りました。
この結果、売上高は436,451千円(前年同期比43.6%減)、営業損失は85,585千円(前年同期は17,106千円の損
失)となりました。
トライステージの株価推移
トライステージ(2178)の2020年10月12日時点での日足チャートは以下の通り。
コロナショック以降、きれいな上昇トレンドを形成して値上がりしてきております。
【10月12日時点の指標】
- PER:22.92
- PSR:0.27
- PEGレシオ:0.35(PER22.92÷利益成長率65.3)
※PSR(株価売上高倍率) ※PEGレシオ(PERを、一株当たりの利益成長率で割った指標)
PERは割安とは言えない水準ではありますが、利益成長率が高く、PEGレシオは1倍を大きく下回っています。
利益の伸びが大きいため、まだ株価は割安といえるのではないでしょうか。
売上高が予想を下回っているのは気になるところですが、今回の利益の伸びも大きく、基本的には上昇していくのではないでしょうか。
決算発表での決算短信には今後の株価上昇のヒントが詰まっています。
ファンダメンタルで投資する際には決算短信の読み方を詳しく知っているかどうかは非常に重要となってきます。
私自身、ファイナンシャルアカデミーで株式投資の基礎を学びました。
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