このところ株式市場の注目を集めているテーマである「全固体電池関連銘柄」。
全固体電池は既存のリチウムイオン電池では液体である電解質を固体にし、正極と負極を含めた部材の全てを固体で構成する電池のことで、次世代の電池として注目されています。
全固体電池は、電解質が固体であるため、液漏れの恐れが無く、正極と負極の接触を防ぐセパレーターも不要となります。
安全性が高く、大容量化や長寿命化の面からも注目されているポストリチウムイオン電池といえるでしょう。
アメリカ大統領選で民主党のバイデン氏が勝利したことにより、クリーンエネルギー関連に4年間で2兆ドルというインフラ投資を行う計画を打ち出しており、脱炭素社会に積極的に取り組む姿勢を見せているというところからも、脱炭素社会として電気自動車のの動力源としての次世代電池候補「全固体電池」が注目されています。
今回は、これから株式市場で長く注目を集めていくであろう「全固体電池関連」銘柄についてみていきましょう。
注目されているテーマ『全固体電池銘柄』の中で、本命の銘柄や出遅れ、好業績や割安、またチャート的に良い銘柄など、購入に値する銘柄があるのかについてみていきましょう。
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【注目テーマ株2021】全固体電池関連の本命や出遅れ銘柄は? 好業績・割安・チャート◎銘柄をチェック
全固体電池関連銘柄一覧
コード | 銘柄名 | 関連度 | 業績 | PER | 利益成長率 | PEG | チャート |
7203 | トヨタ自動車 | 4.5 | ✖ 減収・減益 | 14.2 | ー | ー |
△〇 横ばいから上昇か
|
6955 | FDK | 4 | △ 減収・増益 | 29.8 | 42.2 | 0.71 |
✖〇 下降から反転上昇
|
7004 | 日立造船 | 4 | △ 横ばい・減益 | 17.6 | 4 | 4.4 |
△◎ 横ばいから急上昇
|
5218 | オハラ | 4 | ✖ 減収・赤字化 | ー | ー | ー |
△〇 横ばいから上昇か
|
6584 | 三櫻工業 | 4 | ✖ 減収・減益 | 23.8 | 9.6 | 2.48 |
△〇 横ばいから上昇か
|
6752 | パナソニック | 4 | ✖ 減収・減益 | 26.3 | ー | ー |
△〇 横ばいから上昇か
|
6674 | GSユアサ | 3 | ✖ 減収・減益 | 29.3 | ー | ー |
△◎ 下降から急上昇
|
6762 | TDK | 3 | ◎ 増収・増益 | 24 | 3.25 | 7.38 |
◎ 上昇トレンド
|
6810 | マクセルHD | 3 | ✖ 減収・減益 | ー | ー | ー |
✖〇 下降から反転か
|
6976 | 太陽誘電 | 3 | △ 横ばい・横ばい | 26.5 | 2.45 | 10.8 |
◎ 上昇トレンド
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6981 | 村田製作所 | 3 | △ 横ばい・横ばい | 30.2 | 3.3 | 9.15 |
◎ 上昇トレンド
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4021 | 日産化学 | 2 | 〇 増収・増益 | 29.6 | 4.9 | 6.04 |
〇 上昇トレンド
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4114 | 日本触媒 | 2 | ✖ 減収・減益 | 208 | ー | ー |
✖ 下降トレンド
|
4185 | JSR | 2 | ✖ 減収・減益 | 64.7 | ー | ー |
〇 上昇トレンド
|
4188 | 三菱ケミHD | 2 | ✖ 減収・減益 | ー | ー | ー |
✖ 下降トレンド
|
4204 | 積水化学工業 | 2 | ✖ 減収・減益 | 18.7 | ー | ー |
✖〇 下降から反転か
|
4275 | カーリットH | 2 | ✖ 減収・減益 | 14.8 | ー | ー |
✖〇 下降から反転上昇
|
5334 | 日本特殊陶業 | 2 | △ 減収・増益 | 11.2 | 7.05 | 1.59 |
△ 横ばい
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5367 | ニッカトー | 2 | ✖ 減収・減益 | 30.1 | ー | ー |
△〇 横ばいから上昇か
|
5706 | 三井金属 | 2 | ◎ 増収・増益 | 15.4 | 25.2 | 0.61 |
△〇 横ばいから上昇か
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5713 | 住友金属鉱山 | 2 | △ 減収・増益 | 23.6 | 12.05 | 1.96 |
△◎ 横ばいから上昇
|
7272 | ヤマハ発動機 | 2 | ✖ 減収・減益 | 16 | ー | ー |
✖〇 下降から反転か
|
7911 | 凸版印刷 | 2 | ✖ 減収・減益 | 10.3 | ー | ー |
✖ 下降トレンド
|
7912 | 大日本印刷 | 2 | ✖ 減収・減益 | 26.7 | ー | ー |
✖ 下降トレンド
|
1964 | 中外炉工業 | 1 | ✖ 減収・赤字化 | ー | ー | ー |
△ 横ばい
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3402 | 東レ | 1 | ✖ 減収・減益 | 25.3 | ー | ー |
✖ 下降トレンド
|
3405 | クラレ | 1 | ✖ 減収・減益 | 24.4 | ー | ー |
✖ 下降トレンド
|
3407 | 旭化成 | 1 | ✖ 減収・減益 | 16 | ー | ー |
✖△ 下降から反転か
|
3891 | ニッポン高度紙工業 | 1 | ◎ 増収・増益 | 18.7 | 25.85 | 0.72 |
✖〇 下降から反転上昇
|
4082 | 第一稀元素化学工業 | 1 | ✖ 減収・減益 | 51.2 | ー | ー |
△〇 下降から反転か
|
4182 | 三菱ガス化学 | 1 | ✖ 減収・減益 | 18.1 | ー | ー |
✖〇 下降から反転上昇
|
4183 | 三井化学 | 1 | ✖ 減収・減益 | 17.8 | 4.4 | 4.05 |
✖〇 下降から反転上昇
|
4471 | 三洋化成工業 | 1 | ✖ 減収・減益 | 14 | ー | ー |
✖〇 下降から反転上昇
|
4901 | 富士フイルム | 1 | ✖ 減収・減益 | 18.4 | ー | ー |
〇 緩やか上昇
|
5019 | 出光興産 | 1 | △ 減収・増益 | ー | ー | ー |
✖ 下降トレンド
|
5214 | 日本電気硝子 | 1 | ✖ 減収・減益 | 15.7 | ー | ー |
✖〇 下降から反転か
|
5333 | 日本ガイシ | 1 | ✖ 減収・減益 | 19.3 | 5.45 | 3.54 |
✖△ 下降から反転か
|
5715 | 古河機械金属 | 1 | ✖ 減収・減益 | 10.7 | ー | ー |
✖△ 下降から反転か
|
5726 | 大阪チタ | 1 | ✖ 減収・赤字化 | ー | ー | ー |
✖ 下降トレンド
|
5727 | 東邦チタニウム | 1 | ✖ 減収・減益 | ー | ー | ー |
✖〇 下降から反転上昇
|
6277 | ホソカワミクロン | 1 | △ 横ばい・減益 | 18.4 | 2.2 | 8.36 |
〇 上昇トレンド
|
6292 | カワタ | 1 | ✖ 減収・赤字化 | ー | ー | ー |
△〇 横ばいから上昇か
|
6336 | 石井表記 | 1 | ◎ 増収・増益 | 8.4 | 82.4 | 0.1 |
✖〇 下降から反転上昇
|
6339 | 新東工業 | 1 | ✖ 減収・赤字化 | ー | ー | ー |
✖△ 下降から反転か
|
6501 | 日立製作所 | 1 | △ 減収・増益 | 13.1 | 9.35 | 1.4 |
△〇 横ばいから上昇か
|
6971 | 京セラ | 1 | ✖ 減収・減益 | 25.4 | ー | ー |
△ 横ばい
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7201 | 日産自動車 | 1 | ✖ 減収・赤字化 | ー | ー | ー |
✖〇 下降から反転上昇
|
7220 | 武蔵精密工業 | 1 | ✖ 減収・減益 | 68.9 | ー | ー |
✖〇 下降から反転上昇
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7267 | ホンダ | 1 | ✖ 減収・減益 | 13.3 | ー | ー |
✖〇 下降から反転上昇
|
対象となる主な全固体電池関連銘柄は48。
現時点で好業績の企業は少なくなっていますが、このところ大きな注目を集めているテーマということもあり、急上昇している銘柄や、このところ下降トレンドから反転上昇してきている銘柄もあります。
銘柄を見極めたうえで投資することをお勧めします。
全固体電池関連の本命銘柄
全固体電池関連の本命は、
- 7203 トヨタ自動車
- 6955 FDK
- 7004 日立造船
- 5218 オハラ
- 6854 三櫻工業
- 6752 パナソニック
ズバリ、全固体電池関連の大本命はトヨタ自動車。
トヨタとパナソニックの合弁会社「プライム プラネット エナジー&ソリューションズ」は10月6日、徳島県に生産ラインを新設して車載用リチウムイオン電池を増産することを発表しました。
トヨタ自動車は全固体電池開発にもっとも熱心で、圧倒的な特許出願数となっており、日本政府はカーボンフリー実現のため巨額の開発費用援助を決めている。
開発も順調らしく、早ければ2022年登場の次期型「プリウス」に採用するんじゃないかといわれています。
その他の水素関連の本命としては、FDK。
FDKは全固体電池をはじめとする次世代電池の開発に力を入れているほか、究極の蓄電池と呼ばれる空気電池にも展開し、直近では積層可能な10Ah水素/空気二次電池を開発したことを発表、同製品を用いた蓄電池システム開発を進め、22年度の量産化に向けて取り組む構えをみせている。
日立造船は、全固体リチウムイオン電池を研究開発。
Hitz日立造船グループの技術を活用した独自の製造方法を開発し、従来全固体リチウムイオン電池の充放電時に必要であった機械的加圧を用いることなく動作させることに成功しました。
オハラは、光学ガラスの老舗メーカーで、手掛けるリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスが車載向け全固体電池の固体電解質材料に採用されると期待される企業。
三桜工業は、2018年に全固体電池の研究開発・製造を行うSolid Power社に出資し、全固体電池ならびにマグネシウム電池の研究・開発を進めている。
好業績・割安の銘柄
続いては好業績で割安の銘柄。
全固体電池関連銘柄のうち、業績が良いのは5銘柄。
そのうち、好業績で割安な銘柄は、
- 5706 三井金属
- 3891 ニッポン高度紙工業
- 6336 石井表記
となります。
いずれも利益成長率が高い低PERの銘柄で、PEGレシオは1倍を大きく下回っており、まだまだ株価水準は割安だと言えるでしょう。
全固体電池関連テーマの中では、買いやすい銘柄で、今後の大化けも期待できます。
チャート的に狙い目の銘柄
全固体電池関連銘柄は、すでに注目されており、急上昇した銘柄が多いために高値掴みをすることには注意が必要ですが、まだまだ先の長い注目テーマで、さらなる上昇が見込めます。
チャートの形状ごとに、注目の銘柄を見ていきましょう。
まずは注目を集めて大きく上昇している銘柄。
【◎ 急上昇銘柄】
- 7004 日立造船
- 6674 GSユアサ
- 6762 TDK
- 6976 太陽誘電
- 6981 村田製作所
- 5713 住友金属鉱山
まだまだ上昇の可能性はありますが、株価水準は高目ではあります。
買いを入れる際は、高値掴みに注意しながら投資することをお勧めします。
続いてはきれいな上昇トレンドを形成している銘柄。
【〇 上昇トレンド】
- 4021 日産化学
- 4185 JSR
- 6277 ホソカワミクロン
それぞれきれいな上昇トレンドを形成しており、投資しやすい銘柄といえるでしょう。
【〇 上昇の兆し・反転上昇】※出遅れ銘柄
次にご紹介するのは上昇を始めた銘柄や反転上昇し始めたと思われる銘柄群です。
高値掴みしたくない方にはこちらのチャートがおすすめの、出遅れ注目銘柄です。
こちらの中で、出来高を伴って上昇するなどのサインがあれば今後大きく上昇することになるものも多いのでチェックしてみてください。
- 7203 トヨタ自動車
- 6955 FDK
- 5218 オハラ
- 6584 三櫻工業
- 6752 パナソニック
- 6810 マクセルHD
- 4204 積水化学工業
- 4275 カーリットH
- 5367 ニッカトー
- 5706 三井金属
- 7272 ヤマハ発動機
- 3407 旭化成
- 3891 ニッポン高度紙工業
- 4082 第一稀元素化学工業
- 4182 三菱ガス化学
- 4183 三井化学
- 4471 三洋化成工業
- 4901 富士フイルム
- 5214 日本電気硝子
- 5333 日本ガイシ
- 5715 古河機械金属
- 5727 東邦チタニウム
- 6292 カワタ
- 6336 石井表記
- 6339 新東工業
- 6501 日立製作所
- 7201 日産自動車
- 7220 武蔵精密工業
- 7267 ホンダ
狙い目としてはこのあたりかもしれません。
上昇の兆しが見える出遅れ銘柄で、これから大化けする可能性を秘めている銘柄といえるでしょう。
少し数は多いですが、先ほどの好業績割安名画としてもご紹介した三井金属・ニッポン高度紙工業・石井表記あたりが出遅れ銘柄としてはお勧めです。
いずれにしても全固体電池関連の銘柄は注目度の高いテーマで、2021年も引き続き大きく上昇する銘柄も多く出てくるかもしれません。
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